1年に1つだけ選ばれる「郡山ブランド野菜」が今、アツい!

鈴木農場の直売店・伊東種苗店に並べられた郡山ブランド野菜

おいしいものには目のない私。最近、福島県の郡山が注目と聞いて、新幹線に飛び乗って、ひとり、出かけてきました。東京から約80分。こんなに近いなんて、知らなかった。

郡山ブランド野菜の生まれる畑へ

お目当ては「郡山ブランド野菜」。「郡山には、土地を象徴するような野菜がない。ならば、自分たちで作り上げよう」という心意気のもと、生産者たちが集まってブランド野菜の選定を始めました。

実は郡山は、全国トップクラスの米の生産量を誇る農業の先進地です。2011年の東日本大震災以降、原発事故による風評被害を払しょくするため、農作物の安全性をアピールするなど、「食に関する取り組み」が盛んになりましたが、「郡山ブランド野菜」は震災以前からの取り組みで、まさに郡山の「食に関する取り組み」の先駆けと言えます。

郡山ブランド野菜協議会が制作したカード。裏にはその野菜の食べ方のコツなども書いてある

ミネラルが豊富な土や清らかな水、澄んだ空気など、農業に適した環境を活かして、目利きであるメンバーが集まり、会を結成したのが2003年。2011年1月に「郡山ブランド野菜協議会」が立ち上がりました。

「安全」は当たり前のこととして、「おいしさ」という付加価値をもつ野菜を食卓に届けようと、郡山の土地にあった品種を野菜ごとに200〜300種類から選ぶという途方もない作業を続けてきました。

そうやって、数多くの野菜の中から選ばれる郡山ブランド野菜は、年に1度、1つの野菜だけ。まずは第1号として、エダマメの「グリーンスウィート」が認定されました。

ブランド野菜の収穫を体験

鈴木光一さん。この日、旬を迎えた「とうみぎ丸」(トウモロコシ)を手に

この日は、ブランド野菜の収穫を体験させてもらうため、「グリーンスウィート」の生みの親で、郡山ブランド野菜協議会の会長でもある鈴木光一さんが営む鈴木農場にお邪魔させていただいたのです。

「これ、何の野菜かわかる? これは?」と、軽快な語り口で案内してくださった鈴木さんは、農業に従事して30年になる、農場の3代目。土と作物、そして郡山という土地に惜しげもなく愛情と情熱を注ぐ人です。

抜くだけなのに、ものすごく力が必要な「グリーンスウィート」の収穫体験

畑をひと通り案内してもらい、いよいよ「グリーンスウィート」を収穫しようというとき、「キツネとかタヌキとかハクビシンになった気持ちでどうぞ!」と軽口を飛ばす鈴木さん。「どんなものを選べばいいのですか?」と聞くと、「自分の選んだものが一番いいものなんですよ」と言います。納得。

郡山ブランド野菜は現在13種類。「グリーンスウィート」のほか、カボチャの「おんでんかぼちゃ」、ニンジンの「御前(午前)人参」、キャベツの「冬甘菜」、カブの「あこや姫」など、優しい響きでおいしさを想像させるユニークなネーミング。実は市民から公募したものです。

さらに、今まで感覚としてとらえられてきた「おいしさ」の評価を、学識者のもとで可視化することにも取り組んでいます。

鈴木農場の四代目・智哉さん。東京での大学生活を経て、実家に戻り就農の道を選んだ

最高の場所で採れたて素材を味わうFood Camp

畑の中にしつらえられた食卓。奥に見えるのはフードカート

鈴木さんのおかげですっかりファンになってしまった郡山ブランド野菜。収穫しただけでなく、フードカートを畑のど真ん中に停めて、その野菜の料理をいただくというこのうえなく贅沢な体験もしてきました。

これは、旅行事業などを手がける「孫の手トラベル」がFood Campツアーとして2015年から行っている企画。「Farm to table, table to Farm」をコンセプトに、畑で採れた新鮮な野菜や大事に育てられた肉や卵といった旬な食材のおいしさを、その命が育まれた土地でいただくという取り組みです。

この日は郡山で人気のイタリアン「ラ・ギアンダ」の加藤智樹シェフが料理を担当

さまざまな人の手を経て育てられてきた郡山ブランド野菜。郡山市内では、開成マルシェや表参道マルシェ(地域の生産者が野菜や肉などを持ち寄る青空市)などで手に入るほか、旬のベジカフェバル「Best Table」、居酒屋の「安兵衛」といった飲食店でいただくこともできます。

東京でも、青山で開かれる「Farmer’s Market@UNU」で不定期に出店しているので、気になる人はぜひ、チェックしてみてください。

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