「利き酒好き」にはたまらない…新潟駅ビルの危険すぎる「お酒ミュージアム」

まるでコインロッカーのようにお酒が並ぶ光景は圧巻

どうも利き酒セットが好きなのです。

利き酒セットとは、何種類かのお酒を少量ずつ試せるセットのことで、お店によってクラフトビールもあれば日本酒もあるし、ウイスキーの場合もあります。わりといろんな種類の酒を楽しみたいたちなので、お店に利き酒セットがあるとつい頼んでしまいます。

利き酒セットといえば忘れられないのが、東京・恵比寿にある「ヱビスビール記念館」にある試飲コーナーです。今では普通にビールを楽しめるバーのような空間へと生まれ変わりましたが、かつてはまさに試飲のためのシンプルな場所でした。記念館でビールについて学び、最後にちょっとだけ飲んでみましょうといった雰囲気だったのです。

私の記憶が確かならば、400円で3種類のビールが出てきました。ヴァイツェンとかペールエールといった種類だったような気がします。ちょっとした豆菓子のようなおつまみも付いてきたと思います。小さめのグラスに入ってはいましたが、3種類を飲むとそれなりに飲みごたえがありました。当然ながら注ぎ方も完璧で、これで400円は破格でした。

当時、そんなにお金もない学生だった自分は、これは穴場を見つけたぞと思い、時々そこに行っては展示もろくに見ずに(すでにさんざん見ていたので)、その試飲コーナーに直行しては利きビールセットを飲んでいたものです。

ちょうどイチローが大リーグへ行ったばかりの頃で、そこにある大きなスクリーンで試合が放送されていたので、つい応援にも熱が入り、おそらく6〜7回はセットを頼んだのでしょう、気がつくとテーブルには空のグラスが20個ほど並び、とても記念館の中とは思えない光景となっておりました。あの時はさすがにやり過ぎたと反省しております。

利き酒好きの聖地が駅ナカに

全国の「利き酒好き」の皆さまにとっては有名な話なのかもしれませんが、新潟駅に日本酒の利き酒コーナーがあることを友人から聞きつけ、いてもたってもいられず行ってみることにしました。

駅の中にあるというので着いて早々探してみるのですが、どこにもその表示が見当たりません。人に聞けば早いのでしょうが、ここは自分で見つけ出したいと思い、駅構内をしばらく歩き回っていると、CoCoLoという駅ビルの中にどうやらありそうだということがわかりました。

駅の構内に案内図を発見。ここからさらに歩く

案内図を頼りに「ぽんしゅ館」というところまでたどり着いたものの、どうやら利き酒コーナーは別の場所にあるらしく、さらに歩き回ることに。まるでドラクエでお城の中をさまよっているような気分になりつつ、ようやくお目当ての場所に到着することができました。

ようやくお目当ての場所にたどり着く。人形の手招きがうれしい

100種類以上の日本酒を堪能できる危険な聖地

このお酒ミュージアム「越乃室」では、レトロな雰囲気の空間に、100種類近くの日本酒がコインロッカーのようにずらりと並びます。500円を払うとおちょこ1つと5枚のコインを渡され、そのコイン1枚をコインロッカーのようなマシーンに投入すると、おちょこ一杯分の日本酒が出てくるという仕掛け。

マシーン1つ1つに酒蔵や味の特徴、専門家のオススメポイントなどが書かれているので、それを読みながら気になる酒のところにおちょこを置いてはコインを入れていきます。

コインを入れボタンを押すと、おちょこ一杯分が出てくる。わくわくする瞬間
これが専用のコイン。500円で5枚もらえる

酒の肴としては、世界中のさまざまな塩が無料で提供されています。比べてみると、それぞれ味がけっこう違います。この酒にはこの塩が合うな、などとマリアージュを楽しむのも乙なものです。

また、味噌も少しだけ置いてありました。それ以外の食べ物はありません。なんてストイックな場所でしょうか。

国内はおろか世界の塩が集結している。とてもすべては味わいきれない

おちょこ一杯ずつなのでついつい飲み進めてしまい、果ては今どのくらい飲んでいるのか酒量がつかめなくなってくるという、わんこそば的な恐怖をひしひしと感じます。

こんなすごいものを駅ビルにつくってしまうなんて、新潟恐るべしであります。しかも朝の9時半からやっているのも恐ろしい(終了は20時)。ふと思いついて新潟駅へ行き、利き酒をしてさくっと帰るなんてことだって可能なのです。まあ、さすがにそれは贅沢ですけど。

とにかくさまざまな日本酒をリーズナブルに味わえるのが、利き酒好きにはたまりません。おちょこ一杯ずつとはいえ、杯を重ねるにつれて酔いもまわってきました。本当は全種類を制覇したいところですが、さすがに一度では無理だとあきらめ、ほどよいところでミュージアムを出ました。外はまだまだ明るい。いささかの背徳感を抱きつつ、さて夜はどこで日本酒を飲もうかと街を歩き始めるのでありました。

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