なぜ「仮想通貨バブル」は起きたのか? 事業者が振り返る「大反省会」

仮想通貨についてトークした堀潤さん(左)、澤円さん(中)、森川夢佑斗さん(右)

2017年から18年にかけて日本中、いや世界中で吹き荒れた「仮想通貨旋風」。私の周囲でも「何十万円儲けた」という人が何人もいました。私自身は取引口座を作りかけた頃にバブルが崩壊し、何の恩恵も得られませんでしたが・・・。

世間的には「もう終わった話」と思われがちな仮想通貨の世界ですが、今年1月、「仮想通貨『大反省会』――未来への緊急会議」という名のイベントが東京・渋谷で開かれました。仮想通貨に関する事業をてがけるベンチャー企業・カウンティアバンクが主催したイベントで、”仮想通貨業界のこれまでを「反省」し、仕切り直しとしてこれからを考える”というので、話を聞きに行ってみました。

「ジェットコースターに乗っているようだった」

来場者数は30〜40人ほど。仮想通貨に関する事業の関係者やジャーナリストたちが登壇し、仮想通貨の反省点や今後の見通しについて語り合いました。

イベント冒頭、元NHKアナウンサーでジャーナリストの堀潤さんが「さっきツイッターに早速レスが付いたんですが、『これは詐欺ですか?』と。今のこの社会の空気感を払拭していきたいし、まだまだ改善しないといけないところもあるので、前進できるように知恵を出していきたい」と挨拶。世間からの手厳しいコメントを明かし、会場の笑いを誘いました。

GincoのCEO・森川夢佑斗さん

続いて、仮想通貨に関するアプリを提供するGincoのCEOを務める森川夢佑斗さんが、昨年の仮想通貨をめぐる動きを振り返り、「ジェットコースターに乗っているような気持ちでした」「過度な期待に対して下がり幅が大きすぎて、そこはネガティブに映っている」「(仮想通貨という)新しいテクノロジーに対する期待が、多くの人にとって2018年はゼロに近づいてしまった」と心情を吐露しました。

カウンティアバンク代表取締役の姥貝賢次さんは、バブルの反省点として「仮想通貨というのは”金融である”ということを、みんな甘く見ていたのかな。金融は国のインフラにもなるし、人々の財産の寄りどころにもなる。そこを甘くみていて、詐欺などが横行してしまった」と振り返りました。その上で「どうやって財産を守るか、どうしたら詐欺をなくせるかという思考が入ってくると、良い方向に流れると思う」と指摘しました。

仮想通貨が世の中に出てきた当初は、犯罪目的で使われることも多かったそうです。外資系IT企業の業務執行役員の澤円さんが当時の状況を語りました。「金本位制、国家信用本位制という時代があって、今は技術信用本位制に来ている。技術が後ろ盾をして取引していた。それに一番最初に目をつけたのが、悪い人たちだったんです」。

コンピューターウイルスを使った恐喝や脅迫を行うサイバー犯罪者たちの間では、マネーロンダリングの必要がない送金方法として、4〜5年前から仮想通貨が使われていたといいます。その後も、反社会的な人々や遵法意識の低い人々が、仮想通貨業界に少なからず流入しました。

カウンティアバンク代表取締役の姥貝賢次さん

「技術そのものには、良いも悪いもないはず」

こうした状況について、参議院議員で「仮想通貨税制を変える会」会長の藤巻健史さんは「デリバティブ(※ハイリスク・ハイリターンな金融商品。1980年代以降、急成長した)の発生のときと同じなんですよね。デリバティブができたときも、最初は変な人しか入ってなかったんです。常識的でない興味を持っている人たちが入ってきた」と説明します。

新たな金融商品が誕生すると、最初は投機的、ギャンブル的な捉え方をされ、有象無象の人々が流入するのが世の常というわけです。

イベント終了後に主催者の姥貝さんに話を聞くと、「仮想通貨が怪しいわけではなく、仮想通貨ブームに乗って悪いことをしようとした怪しい人たちがいっぱいいたんです。資金を募ってドロンしてしまうような、詐欺的な行為も横行しました」と指摘。「仮想通貨というのは、暗号技術とITを掛け合わせたすごく面白い技術。技術そのものには、良いも悪いもないはずです。でも、悪い人たちが真っ先に目をつけて、業界荒らしてしまった」と反省点を語っていました。

改善方法については、「証券会社や銀行がやっていることを、ちゃんと取り入れていけばいい」として、不正行為を許さないよう業界全体での管理体制の強化が必要だと話していました。

バブルの発生と崩壊を経て、仮想通貨の業界は今後どのように発展していくのでしょうか。事業者たちもこれまでの反省点を考えているようなので、再び活況となる時代が訪れるかもしれません。

 

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