コオロギ、ゲンゴロウ…熊本に出現した「昆虫食自動販売機」試食してみた!

小さな商店街に設置された昆虫食自動販売機

2018年11月、熊本市の小さな商店街に現れた「昆虫食自動販売機」。気になってはいましたが、なにしろ「虫」。話題のパンケーキなどとは一線を画す類です。しかし熊本在住者たるもの、地元に自動販売機があるのならば一度くらいは食しておかねば、と意を決し、現場を訪れてみました。

来る食糧難時代に備えての昆虫食

昆虫食の自動販売機を設置しているのは、「ディスカバーバルーン」というイベントやギフト用にバルーン装飾を行なっているショップです。店頭では、自動販売機が強烈なインパクトを放っています。しばらく眺めて固唾を飲んだあと、ショップに入りました。

「ディスカバーバルーン」店内

さっそく、ショップオーナーの友田敏之さんに話を伺いました。

——ここはバルーン専門店ですが、なぜ昆虫食の自動販売機を店頭に設置しているのでしょうか。

友田:この店を去年オープンした時に「店のアイコンになるものを作りたい」と考えて、昆虫食の自動販売機を店頭に置きました。なぜ昆虫食なのかというと、僕の都市伝説好きが理由なんです。

いま都市伝説界では「地球の地軸がずれている」「もうすぐ氷河期が来る」といったことが話題になっています。天変地異によって食糧難の時代が来るのではないかと言われているんです。都市伝説ではなくとも、世界的な人口増加に対して農産物の生産が追いついていないことがすでに問題になっています。

そうなった時のために注目されているのが、昆虫食。国連食糧農業機関(FAO)も2013年に、世界的な飢餓対策として昆虫食を推奨する報告書を発表しました。食糧難を乗り越えるためのひとつの解決策として、高タンパクで栄養の吸収が素早い「昆虫食」を推奨しているんです。

オーナーの友田敏之さん。

——私たちが生きている間に食糧難の時代が訪れると思いますか?

友田:はい、真剣に危機感を抱いています。ところが、僕は虫が大の苦手なんですよ(笑)。だからこそ、食糧難に備えて今から慣れておかなくてはいけないという思いもあり、昆虫食の取り扱いを始めたんです。

「地産地消の昆虫食」を開発中

——どんな昆虫食があるのでしょうか。

友田:今あるのは、コオロギ、ゲンゴロウ、タガメ、スーパーワーム。定期的に入れ替えをしています。もうすぐカブトムシとタランチュラが入荷する予定です。

——おすすめの昆虫食を教えてください。

友田:一番食べやすいのは、チョコでコーティングされたスーパーワームやバッタ。中級編としてはバッタ目(もく)のフリーズドライかな。食感もサクサクしていてスナック菓子っぽいですよ。上級編は、ゲンゴロウやカブトムシの甲虫類。これはもう異次元の味です。僕も未だにに慣れません。見た目も匂いもきつい。食べてみないとわからない味です。

——今後はどのように展開していく予定ですか。

友田:実は現在、オリジナルの商品を開発しているところです。地産地消の昆虫食を作るために、今、試行錯誤の研究をしています。今年中には「昆虫ふりかけ」など、熊本オリジナルの昆虫食を販売したいと思っています。

恐る恐る自動販売機のボタンを押す

いざ、昆虫を実食

自動販売機で、初級編から上級編までの昆虫食を購入し、いざ実食!まずはスーパーワームのチョコがけから。ウニウニした形状がうっすら見えて少し腰が引けますが、食べてみると意外とおいしい。フリーズドライのスーパーワームがサクサクしていて、まるでパフ入りのチョコを食べているようです。

スーパーワームチョコレート
コオロギの昆虫スナック

中級編のコオロギの食感は、まるで白えびの素揚げのよう。口の中にイネ科の草っぽい味が広がります。友田さんおすすめの、クレイジーソルトや一味マヨネーズを薬味にする食べ方も試してみました。塩気が草の風味を際立たせて、なかなか美味。一味マヨネーズは完全に酒のつまみです。

コオロギに一味マヨネーズを添えて

問題はゲンゴロウです。

黒光りするゲンゴロウ

「この形、このテリ…。まるで『G』ではないか!」

いったん袋に戻し、急いでスマホで「ゲンゴロウ ゴキブリ 違い」と検索。ゲンゴロウは水生昆虫、ゴキブリは陸上に生息する昆虫とあり、生物学的にまるで違うことを確認しました。とはいえ、見た目はかなり『G』度が高いです。

甲虫類には早めに慣れておくべし

そのまま食べる勇気がなく、香味調味料とオリーブで味付けをして一気に咀嚼。が、これはさすがに無理でした。外骨格は硬く、香りはまるでカメムシ。来る食糧難までにこの味に慣れなくては…。が「今は無理」でした。

意外にも社会的なメッセージが込められていた昆虫食の自動販売機。熊本産の昆虫食が登場するとなれば、辛子蓮根やラーメンに次ぐ新たな熊本名物として、さらに話題になることでしょう。

 

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