1日3食にこだわらなくてもいい!「ひとり自炊」のコツは気負わないこと〜DANROふらっと座談会(2)

「ひとり自炊」のコツとは(Photo by Getty Images)

独身、ひとり暮らしのメンバーでつくる読者コミュニティ「DANROふらっと」。メンバーはどのように「ひとり」を楽しみ、また「ひとり」の課題を抱えているのでしょうか。その実態を座談会で探っていく連載、今回は、自宅で料理をするのが大好きなたかはしかよこさんと吉田正幹さんが「ひとり自炊」について語ります。

作りおきが普段の食事を彩る

DANRO編集部(以下DANRO):今回のテーマは「ひとり暮らしの自炊編」です。まず吉田さんから、普段の食生活について簡単に教えていただけますか?

吉田正幹(以下吉田):この4月まではほとんど毎日、弁当を作って、職場に持参していました。

DANRO:すごいですね。夜の食事についてはどうですか?

吉田:夜は、作りおきでしのぐこともしばしばです。休日は、朝、きちんとつくります。

DANRO:基本的には作ることにしているのですね。

吉田:飲み会が入ることも多いですが…(笑)。

DANRO:たかはしさんは、いかがですか?

たかはしかよこ(以下たかはし):私は週3日、会社に勤務していて、その時はお弁当を持参しています。丸元淑生さんの「システム料理学」のメソッドをずっと実践しており、栄養士でもあるので「必要な栄養素と食品を効率的においしくとること」をベースに組み立てています。お弁当は、朝10分で詰めています。

DANRO:すごい!

たかはし:1日に必要とされている野菜350gをいかにとるかを目標にしています。野菜だけのレシピを100くらいクックパッドで公開しています。それが結果的に日持ちするので、前日と言わず、時間があるときに作っておくという感じです。

DANRO:いわゆる「常備菜」とよばれるもの、という理解でいいですか?

たかはし:一般的には常備菜と言われると思いますが、自分が扱うのはあくまでも野菜だけで作っているいうところがちょっと違います。

DANRO:吉田さんは、作りおきやお弁当などで何か意識されていることはありますか?

吉田 :白いごはんと、炊き込みなどの「味ご飯」を用意することと、けんちん汁など具が豊かな汁物やシチューなどを用意することでしょうか。後者の場合、おにぎりだけやおかずなしでも満足感があります。

作りおきは休みの日にまとめてすることが多いですが、魚など足が早いものは、一切れを塩焼きなどですぐ食べて、もう一切れは粕漬けに仕込んでおくなど工夫しています。骨までイケるイワシなどは、まるごと煮て日持ちさせます。弁当にもツマミにもいけますよ。

手作りにこだわる必要はない

DANRO:おふたりは、かなりきちんと食事を作っていらっしゃいますが、ひとり暮らしの人は、貧しい食事になりがちですね。

たかはし:働いている人は食事を作るエネルギーが大変ですよね。

DANRO:そういうひとり暮らしの人が、きちんと作ることはできないまでも、何か食生活で気をつけることってあるでしょうか。

たかはし:アウトソースは大賛成です! 今は、からあげでもハンバーグでも、おいしい動物性たんぱく質が気軽に手に入るので、買ってくればいいと考えています。

DANRO:なるほど。手作りにこだわる必要はないと。

吉田:たとえば、酢豚が食べたいなと思ったら「マルシンハンバーグ」とか、ミートボールのレトルトとかで代用しちゃいます。

たかはし:「石井食品」のミートボールとハンバーグは完全に無添加なんですよ!

吉田:そうなんですね!ありがとうございます。

自分で作るようになって感じたのは、惣菜関係の値段の高さと、しっかり火を通した惣菜ならば冷蔵でも4〜5日は充分にもつことです。

たかはし:ちなみに、動物性のたんぱく質を混ぜないと、1週間でももちます。

自分で作ると満足度が高い

DANRO:毎日は無理だけど、お休みの日くらいは料理にチャレンジしてみようかな、という「料理超初心者」のおひとりさまは、どんな料理から始めればいいでしょうか。

たかはし:わたしの一押しは「インドの漬物風〜キャベツのアチャール」です。食べるとみなさんびっくりされます。インドカレーの添え物に相性のいいキャベツの漬物的レシピです。キャベツを適当に切って酢と塩で下味をつけたら、フライパンでクミンシードの香りをオイルにじっくり移したものをじゅっとかけて出来上がりです。調味料は適当に調整すればいいですよ。

「インドの漬物風〜キャベツのアチャール」のレシピ

吉田:私からは、新じゃがの季節なので、「新じゃがの塩昆布マヨ和え」をおすすめします。レンジがあれば火を使わなくてもできるんですよ。

新じゃがを流水で泥だけ落として、半分〜4分の1にカットし、水を振ってレンジでチン(600Wで6分ほど)。その後、じゃがいもの水分をキッチンペーパーで取って、ボウルでマヨネーズと塩昆布で和えれば完成です。

DANRO:簡単ですね!

吉田:ビールに合いますよ。

新じゃがの塩昆布マヨ和え

吉田:もうひとつ簡単なレシピをご紹介します。「お揚げとピーマンの青椒肉絲風」です。肉の代わりにお揚げで代用。お揚げは短冊に切った後にカリカリになるまで炒り焼きにして、いったん引き揚げます。次に胡麻油を敷いてピーマンを炒め、油が回ったら酒を一回しします。そこにお揚げを戻し入れて、和風粉末だしと醤油を少々で完成です。おかずにも、ビールにも、それから、ごはんに載せて丼風の弁当にしてもイケますよ。

お揚げとピーマンの青椒肉絲風

1日3食にこだわらず、食べたいものを自分に問いかける

DANRO:作った方が栄養的にも経済的にもいい、とわかっていながら、なかなかそのパワーが湧いてこないおひとりさまに、作り慣れているおふたりからお誘いの言葉をいただけますか。

吉田:何か1品つくって、それが成功体験になると料理が楽しくなるような気がします。
成功体験から、人に食べさせて喜ばれる、そして嬉しくなる…みたいな感じで。

DANRO:なるほど、人に食べてもらうのもいいですね。

たかはし:本当に食べたいものは何かな、と自分の身体に問いかけてみることがスタートかな。「しなくちゃいけない」と作るのはしんどいので。実は私自身、作るのはそんなに好きじゃありません。

吉田:「自分に問いかける」…大いに同感です!

たかはし:自分で作ると、食べたいものが食べられるという満足度は高いです。

吉田 :僕は栄養学に関しては全くの素人なのですが、自然と欲するモノとして魚や野菜が多くなっているような気がして、気付いたら糠漬けと味噌汁だけで大満足なんてこともありますよ。

たかはし:料理はがんばりすぎないで、楽しくかかわれる範囲で気軽にやるのがよいです。あとは、1日3食にこだわらないことも大事。

DANRO:3食、きちんと食べなくちゃいけないと思い込んでました。

たかはし:朝食は、エジソンがトースターを発明したときに、それを売るために発明したものだという説もあります。それまでは世界的に2食だったとか。真偽は定かではありませんが。

吉田:僕は食いしん坊なので、風邪をひいたり二日酔いでないかぎりは、しっかり3食食べないともちません。

たかはし:わたしには3食は圧倒的に多すぎなんです。それぞれ自分にちょうどいい回数と量を自分で見極めたほうがいいと考えています。身体はそれぞれ違っていて、体質や体調、季節によっても変わるし。食べ物の好き嫌いにも何か意味があるはずで、そこを大切にしてほしいなと思います。

   ◇

たかはしかよこ
株式会社社員食堂CEO。栄養士/おやさい料理研究所所長。“働く人の日常の食事”をテーマに、それぞれの体調と生活にあった新しい食生活を送るためのデザインワークショップ・コンサルティング事業を展開。毎日簡単に美味しく野菜を摂るための一つの野菜「一菜一品レシピ」をクックパッドで紹介中。

吉田正幹
独身で料理好きのアラフィフ。「アラフィフ男子のキッチン365日」主宰。「背伸びをしない、普段着ごはん」をコンセプトに渋谷の一隅からほぼ毎日セルフクッキング。リクエストにお応えするカタチで自宅でおもてなしもお引き受けしています。Instagramはこちら

 

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