韓流レンズ、ボケ味しっとり SAMYANG AF 45mm F1.8 FE 使ってみた

SAMYANG AF 45mm F1.8 FE (カメラはSONY α7RIII)

韓流。……その響きから想像するものは、イケメンパラダイスだったり、素足が長いお姉さんだったり、チーズがびよ~んと伸びる食べ物だったり、激辛熱々だったり……。新大久保あたりは若い女性で大にぎわいですが、レンズの世界にも、じわりと韓流の波が押し寄せています。

2016年にレンズと用品メーカーのケンコー・トキナーが取り扱うことで、大手量販店でも目にするようになってきたSAMYANG。 Canon EF・EF-M・RF、Nikon F、Sony A・E、Fuji X、Pentax K、マイクロフォーサーズとあらゆるメーカーのマウントのレンズを発売していることもあり、選択肢の一つとして、カメラマニアにじわり浸透中です。

製造会社は韓国・昌原市に本社を持つ「三洋オプティクス」。日本のパナソニック傘下にある白物家電メーカー・三洋とは何の関係もありません。創業1972年の老舗メーカーです。

そのSAMYANGから、絞り開放F1.8と明るい、ポートレート向きのAF 45mm F1.8 FEが発売されたので、特に「ボケ味」を中心に、実写レポートしました。

SAMYANG AF 45mm F1.8 FE:概要

今回もまずは普段のお散歩コースから。

神秘的な青紫色のサルビア・グアラニティカ

カギ爪のような形をしたサルビア・グアラニティカと蜜を吸いに来たクマバチ。木漏れ日の丸ボケが丸く輝いています 絞り優先、F2.0、1/250、ISO100

小型軽量のフルサイズ対応

AF 45mm F1.8 FEは、末尾の型番FEで分かる通りのフルサイズ対応。それなのに長さ56.1mmと小型で、フード・フロントキャップを含まない重さは162gと軽量です。

SAMYANGのソニーEマウントとしては7番目のレンズで、オートフォーカスに対応しています。当初から注目されていた方にはMFレンズとしての印象が強いと思いますが、最近はAFレンズに力を入れているのだそうです。

華麗という花言葉が似合うユリ

オレンジが映えるユリの花。まだ咲き始めですね。絞り優先、F1.8、1/2000、ISO100

人間の目に最適な画角で設計

レンズの焦点距離は標準と言われる50mmレンズではなく、ほんの少し広角。SAMYANGは「人間の目が被写体を最も認識できる最適な画角は53度」として、フランジバックの短いミラーレスカメラの特性を考慮して、45mmを標準と定義したのだそうです。最短合焦距離も45cm。レンズ焦点距離と同じで覚えやすい数字です。

畑にぽつんと映えていたヒマワリ

今年の梅雨は雨が多くてヒマワリも太陽が恋しそうです。 絞り優先、F1.8、1/1250、ISO100

レンズのフォーカスは、ステップモーターを使ったリニアアクチュエーターでレンズ駆動します。さすがGやG Masterなど高価なソニー純正レンズと比較すると、ほんの一瞬合焦が遅いのですが、常に動体を狙うタイプのレンズではないので、さほど気にはなりませんでした。

川辺に群生していたサルビア・グレッギー

サルビア・グレッギー、またの名をチェリーセージと呼ばれる小さな赤い花。いつも揺れてるイメージです。 絞り優先、F1.8、1/2000、ISO100

SAMYANG AF 45mm F1.8 FEの価格は、大手量販店で4万4000円前後。ソニー純正レンズと比較すると、カールツアイスのSonnar T* FE 55mm F1.8 ZA SEL55F18ZGは8万6000円前後、無印純正のFE 50mm F1.8 SEL50F18Fは2万7000円前後。その間を狙う値段設定なのでしょう。価格に応じて省く部分もあり、鏡筒は防塵防滴ではありません。

SAMYANG AF 45mm F1.8 FE

今回も東京・三鷹市の吉祥寺駅近くにある「井の頭恩賜公園」で撮影をしてみました。

なお設定の確認が甘く、ISO感度20000固定に気づかず、シャッターがかなり高速で切られている点をお詫びします。

弁天堂の本坊・大盛寺につながる階段

今回はYUNAさんの舞台衣装。ユリのように映えるオレンジは、湖畔の道を行く外国人観光客から喝采を浴びてました。このレンズは少し絞ると結構シャープです。 絞り優先、F5.6、1/2000、ISO20000

逆光は少し苦手

レンズ構成は6群7枚。色収差を最小限に抑えるための非球面レンズ2枚と超低分散レンズ1枚を搭載。レンズはウルトラマルチコーティングを施していますが、逆光は少し苦手。ケンコー・トキナーは「太陽を構図内に入れて撮影することは苦手ですが、それ以外の状況であればフレア、ゴーストは出にくい」と話しています。撮影の日は曇りがちの天気だったので、そのようなシーンを試すことが出来ませんでした。

絞り羽根は9枚。正円とまではいかないですが、中心部近いところでは美しい丸いボケも楽しめます。

弁天橋のたもとで池を背景に

ピント面はくっきり、ボケはなだらかに出ているので被写体が綺麗に浮かび上がります。 絞り優先、F2.2、1/8000、ISO20000

ボケ味はとても滑らか

このレンズは開放でのボケ味はとても滑らか。画面全体の印象もしっとりして独特の味わいがあります。梅雨に撮ったこともあり、湿度の高さがよく写し出されています。

開放での周辺部の解像力低下や色収差、周辺光量落ちも出ていますが、弱点をしっかり把握した上で被写体を選べば、その味わいを楽しめる個性あるレンズと言えます。

木漏れ日を探しに動物園近くの林まで来ました

木漏れ日のキラキラ感が周辺部にいくと少し流れてレモン型に。 絞り優先、F1.8、1/6400、ISO20000

ケンコー・トキナーの担当者は「出始めのころは『韓国製レンズってどうなの』となかなか手に取撮ってもらえなかったのですが、コストパフォーマンスや性能を認められて着実に伸びています」と話してくれました。

自社で製造販売するトキナーレンズとは商品構成がほとんど違うので、食い合うことはないのだそうです。これからの商品展開がますます楽しみですね。

朱塗りの弁天堂を背景にポーズ

木陰がとても気持ちいい井の頭恩賜公園。YUNAさんは蚊に5ヶ所刺されちゃったそうです。 絞り優先、F5.6、1/5000、ISO20000

◎よく出来ました◎
軽量コンパクトで安価な価格。しっとりとしたボケ味が楽しめる。

△がんばりましょう△
防塵防滴ではない。開放で周辺部の描写が弱い。
最小焦点距離を短く、もう少し寄れれば、花などはもっと楽しい。

撮影モデル:YUNAさん(長野市出身)
22才のシンガーソングライター。
公式サイトにはライブ情報も掲載しています。

 

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