老後2000万円は本当? 老後資金を知る方法【ひとり時代の資産形成:01】

ファイナンシャル・プランナーの水野綾香さん

はじめまして。ファイナンシャル・プランナーの水野綾香です。今回から始まったコラム「ひとり時代の資産形成」では、特に単身者の将来に備えた資産形成についてお伝えしたいと思っています。第1回のテーマは「老後資金」についてです。

老後資金が2000万円不足するという金融庁の報告書が話題になったことで、将来に不安を感じている人は多いのではないでしょうか? 単身世帯ならより一層、心配しているかもしれません。こうした不安を解消するには、自分の老後資金がいくら必要なのかを把握し、不足分をどう補っていくのかを考える必要があります。

実際のところ、老後に必要なお金は人それぞれです。まずは自分の現在地を確認して、いくら準備する必要があるのかを考えてみましょう。今回のコラムでは、老後資金がいくら必要になるのかを知る方法についてお伝えします。

実現したいライフスタイルによって老後資金は変わる

老後資金と一言で言っても、どこでどんな暮らしをしたいかによって、必要な金額は違います。たとえば、「今は都心で働いているけれど、リタイア後は田舎に戻り親の家に住む予定」という人の場合は、税金や修繕費はあるものの、比較的お金がかからない老後生活になるでしょう。

一方、「現役時代は一生懸命働いたから、老後は生活水準を少し上げて、習い事をしたり、友達と旅行に行ったり、悠々自適に暮らしたい!」という人であれば、それ相応のお金が必要になります。

このように、実現したいライフスタイルや資産によって、備えておくべき老後資金は様々だということがわかります。

また、夫婦2人で暮らすのか、それとも単身で暮らすのかによっても目安が変わります。例えば、月30万円の生活水準で暮らしている夫婦と同じ生活水準で単身者が暮らす場合、月21万円が必要になります。つまり夫婦と単身者が同水準で生活する場合、単身者は夫婦の生活費の「7掛け」の金額が必要になるのです。

「え、なんで半分じゃないの?」と思われる人もいるかもしれませんが、電気などは同じ部屋で2人いても1人いても同じ料金がかかるものです。水道・ガス、家賃なども2人分はかからないけど、半額までは下がらない、ということを覚えておいてください。

必要な老後資金を知る方法

では、自分の老後資金を知るにはどうしたらいいのでしょうか? あくまで概算となりますが、紙とペンを用意して、次のSTEPを書き出してみてください。

(1)老後の生活費を算出する

まず、どんな老後生活を送りたいのか、具体的に思い描いてください。そのうえで1カ月の生活費を概算で出してみましょう。

住居にかかるお金(持ち家か賃貸か)、毎月の食費や交際費などを算出してください。現在の支出項目と比べて増えるのか、それとも減るのかがひとつの目安となります。

また、現役時代と大きく変わるのが、時間の使い方です。退職後は働いている時と違い、「毎日が日曜日」となる方も多いはず。そうなると、旅行や習い事などのレジャー費も多めに必要になる可能性があります。

さらに、高齢になると医療費、介護費、老人ホームの入居費用なども増えることが見込まれます。予備費用として、別途加算しておくと安心です。

(2)年金の受給額を算出する

続いて、年金の受給額がいくらになるのかを確認しましょう。大きく分けて、①自営業者②会社員③専業主婦で計算方法が異なります。

①自営業者の方:

ベースは国民年金となります。年金保険料を20〜60歳まで満額納めると、65歳から月に約6万5000円を受給できます(2019年7月現在)。

②会社員・公務員の方:

国民年金+厚生年金が受け取れます。厚生年金部分は、働いた期間、その間の標準報酬月額(お給料)をもとに計算され、65歳以降に年金が受け取れます。金額は個人により異なりますが、現在受給されている人の平均は月に14万円前後というデータがあります。

③専業主婦の方:

配偶者が厚生年金保険料から奥様の国民年金保険料も払っていることになります。また、過去に働いていた期間があれば、その分を加算した年金を65歳から受け取れます。

※上記はあくまで目安であり、個別の詳細な年金額は、「ねんきん定期便」やシミュレーションサイトなどを確認してください。

(3)平均寿命で掛け算

最後に、老後資金の概算を算出してみましょう。

(1)で算出した老後のひと月あたりの生活費から(2)で算出した年金のひと月あたりの受給額を引いた差額が、月々足りなくなるなる金額です。この金額に退職してから亡くなるまでの月数を掛けたものが、老後資金の総額になります。

「人生100年時代」とも言われていますが、現在の日本人の平均寿命は、男性が81歳、女性が87歳です。つまり老後資金の計算式は次の通りになります。

(老後のひと月あたりの生活費-年金のひと月あたりの受給額)×12カ月×(平均寿命-退職予定年齢)=老後資金

年金は納付するべき

いかがでしょうか。「あれ、私は大丈夫かも?」という人もいれば、「全然足りない!」という人もいるでしょう。老後資金がいくら必要なのか漠然としていると不安になりますが、現在値やゴールを具体的な数字で確認できた方が、アクションは取りやすくなります。

また近年、「年金制度が破綻してしまうから、保険料を納付しても損するのでは!?」という話題も出ており、不安を感じている方も多いかと思います。しかし、国民年金は「賦課方式」という仕組みで成り立っており、保険料を払った人が払った額に応じて年金を受け取ることができます。

つまり、保険料を払っていない人は年金を受け取ることができないため、未納者が増えたからといって制度が破綻するわけではありません。ただし、少子高齢化などにより、今後、受給金額の減少や、受給の開始時期が後ろ倒しになることは十分に考えられるので注意が必要です。

ということで、次回のコラムでは年金の話を詳しく解説したいと思います。公的な年金の他にも年金保険やiDeCo(個人型確定拠出年金)など、老後に備えた方法はありますので、その辺りについてもお伝えしたいと思います。

※DANROではコラムの著者である水野綾香さんをリーダーに迎え、お金について考える読者コミュニティ「DANROマネー倶楽部」をスタートしました。SNS上で情報を共有したり、月に1回セミナーを開催したりしていきます。無料で参加できるコミュニティです。関心がある方はこちらからふるってご参加ください。

 

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