(スター・ウォーズひとり旅)ロケ地チュニジアに残る「ひらめき」の源泉

「スター・ウォーズ エピソード4」のロケ地(撮影:喜久知重比呂)

孤高のクリエイター、ジョージ・ルーカスが生んだ「スター・ウォーズ」。その制作において、日本と並んで大きな影響を与えた国がある。私自身が見てきたのだから、そう断言できる。

東京・天王洲で開かれている「スター・ウォーズ アイデンティティーズ」で、約200点の「スター・ウォーズ」の歴史的資料を眺めながら、懐かしさとともに、9年前に私が旅した、ある場所を思い出した。

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砂漠のオアシスの町へ

乗合バスに乗ってチュニジアを縦断(撮影:喜久知重比呂)

2010年12月、私はひとり、北アフリカのチュニジアにいた。主な目的は、「スター・ウォーズ」のロケ地を巡ること。

長いフライトの後、首都チュニスから乗り合いバスで砂漠の道を走ること約6時間。砂漠のオアシスの町マトマタを目指した。到着する頃には、車窓から夜空に満点の星、暗闇を歩くラクダ群が見えた。

幻想的な風景を眺めながら、何でこんな辺境の地でわざわざ撮影したのだろうと改めて思った。

1作目がチュニジアで撮影されたのは、1976年。40年以上も前に、アフリカ大陸の砂漠で映画を撮影することの大変さは想像するまでもない。

荒野を歩くラクダ(撮影:喜久知重比呂)

翌朝、バスで目指したのは、エピソード4に登場するロケ地。道中目にしたのは、山に空いたたくさんの大きな横穴。

この穴は、かつて先住民のベルベル人が侵攻してきたアラブ人から身を隠すために掘った住居。歴史が残したこの住居が「スター・ウォーズ」の独特の世界観を作り出していたのだ。

「スター・ウォーズ」の世界に飛び込んだような風景

「スター・ウォーズ エピソード4」のロケ地「ホテル シディ ドリス」(撮影:喜久知重比呂)

ここは、記念すべき1977年の1作目「スター・ウォーズ エピソード4」に登場する砂漠の惑星タトゥイーンにある、主人公ルーク・スカイウォーカーの住んでいた家として撮影された場所。世界中からコアなファンが訪れる聖地だ。

大きな縦穴といくつかの横穴。硬い岩の横穴は少しひんやりして、暑さを防ぐためにも役に立っていたということがわかった。ホテルやレストランとして使われている建物には、当時の美術セットが残されたままだった。

1976年当時の美術セットが残されたままになっている(撮影:喜久知重比呂)
上から見たホテル シディ ドリス(撮影:喜久知重比呂)

穴の真ん中に立つと、まるで映画の世界にいるようだった。映画の中では、ここでルークがおじさん、おばさん夫婦と食卓を囲んでいた。ルークが飲んでいた青い色のミルクも、ここの名物となっていた。

ルーカスが自己投影した孤独な青年

壁に飾られていた1976年の「エピソード4」撮影中のルーカス監督の写真とサイン(撮影:喜久知重比呂)

アメリカの田舎町で、レーサーを夢見ていたルーカスは、反乱軍のパイロットを夢見ながら集水農場で働く主人公ルークに自己を投影している、と言われている。

孤独な青年ルークが、帝国軍との戦いに巻き込まれながら仲間を得て、大きな力を身に着けていく姿と、ルーカスが孤独に戦いながら、俳優やスタッフたちと巨大な「スター・ウォーズ」の世界を作ってきた姿。2人のアイデンティーがリンクする。

ホテルのレストラン(撮影:喜久知重比呂)

ホテルで地図を眺めながら、地名に驚いた。「タタウィン」、「ナブール」。
スター・ウォーズには「タトゥイーン」、「ナブー」という地名が登場するのだ。

ルーカスは、チュニジアの地で様々なインスピレーションを得ていたのだ。さらに続く旅で、スター・ウォーズの衣装にもチュニジアが大きな影響を与えていたことを知ることになる。

(「スター・ウォーズ」を巡るチュニジアひとり旅の回顧録は、まだまだ続きます)

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