ノマド先を書斎空間にするための「立体ペンケース」(ひとりと文具)

(イラスト・古本有美)

子どもの頃、秘密基地感覚で「書斎」に憧れていた。

薄暗い灯りの中で天井までの本棚に囲まれ、机の上のペントレーには部屋の主だけが使える大事な文房具がきれいに整頓されて並んでいる書斎。大人になったら書斎に一人こもって、手紙を書いたり、なにか色々とする(子どものイメージなので、大人が書斎で何をするかよく分かってない)のだ。

で、もういい加減大人と呼ばれるようになって長いけど、未だにあの書斎は手に入らない。手狭な賃貸マンションで落ち着ける定位置もなく、なにか資料を広げて勉強するにも、どこか空いた場所を探してウロウロするばかりである。

とはいえ今のところ住宅事情が改善する目処は立っていないので、そろそろ発想の転換をする必要がありそうだ。固定された書斎部屋は諦めて、移動先がどこでも書斎空間として使えるような、そういう道具を導入するべきだろう。

進化するペンケースの機能

コクヨ「ネオクリッツ シェルフ」

文房具業界では、ここ数年の間でペンケースの機能が大きく進化している。特に注目されているのが、持ち運ぶ時は普通のペンケースで、使用時は変形してペンスタンドのように自立する、いわゆる“立つペンケース”だ。

狭い机でも場所を取らずに文房具の出し入れができて、仕事の効率化が図れるのが人気のポイント。これを持ち運べば、自宅のリビングやカフェなど、移動した先がどこでも書斎空間として使えるのではないだろうか。

現在は文房具メーカー各社から様々な機能の“立つペンケース”が発売されているが、中でもコクヨの「ネオクリッツ シェルフ」が優れているのは、ツールの整理収納力だ。

まず、ジッパーを開けてガバッと展開すると底面積が広がって安定して自立するようになる。そこで中から現れるのが、筆記具などを立てておくペンスタンド(左)と、大小二段の収納棚(右)である。

この大きく3つに分かれた収納スペースこそが、「ネオクリッツ シェルフ」の整理収納力のキモの部分と言える。

小物が沈まない設計

大きく開くと自立して、ペンスタンド+2段の棚に変形。

従来の“立つペンケース”は基本的に、ペンスタンドに変形することでペンや定規といった長モノを出し入れしやすくしている。逆に言うと、消しゴムやふせんといった小物はスタンドの底深くに沈んでしまい、非常に取り出しにくい。

この大きな弱点を克服するのが、右側の2段収納棚なのだ。

上段の浅い棚はアクセスが良いので、使用頻度の高い小物を出し入れするのに都合が良い。

構造的にはまさに文字通りの“棚”で、上の浅い棚には消しゴムサイズの小物が収まるようになっている。ここは出し入れがしやすいので、使用頻度の高いふせんやコンパクトな修正テープ・テープのりなどを入れておくと、作業がとてもスムーズだ。

棚に分けて収納することで、消しゴムのカドが汚れたり、ふせんの端がめくれてクチャクチャに折れ曲がったり、という不快さがなくなるのもいい。

小型ホチキスも入る大容量

ホッチキスが持ち運べるペンケースというのが、そもそも相当にレア。この容量はすごい。

下段の深い棚は、スティックのりやセロハンテープ、小型ホッチキスなんかもすんなり収納できてしまう。文房具に限らず、スマホの充電アダプタとケーブルをまとめて入れておくのも便利だ。

これだけ大きなものが入る“立つペンケース”というのは珍しく、それもかなりのメリットだ。

地味に効果的なゴムベルト仕切り。これのおかげでペンの取り出しやすさがかなりアップする。

ペンスタンド部もよく考えられている。筆記具なら8~9本が入るスタンドに加えて、内側側面に備えた仕切り代わりのゴムベルトで定規・ハサミを固定しておくことができるのだ。

これらが筆記具に混ざらないよう仕切って固定しておくことで、愛用のペンがサッと素早く取り出せるようになる。特に板状の定規が細長いペンと混在していると意外に邪魔なもので、細かいながらよく考えられた工夫と言えるだろう。

出先でもいつもと同じ作業環境で仕事ができる「移動型書斎」だ。

とにかく、「サイズの違うツールが混ざらないよう分けて持ち運べる」「使う時も整理された状態を維持できる」という、整理収納の発想が全体に行き届いているのが素晴らしい。おかげで大容量でも中をゴソゴソ探ることなく、必要なツールに即アクセスできるため、非常に効率的なのだ。

仕事に必要なツールを全て詰めて持ち運んで、どこでも場所を選ばず広げて仕事や勉強ができる。まさに移動型書類として使うべきペンケースだと思う。

 

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