【古民家で暮らそう!:09】肌寒くなったので引き戸を作る。そこへ猫が…

玄関から母屋の床の間を望む空間

本格的に住み始めて約2カ月。きちんと換気をして定期的に掃除機をかけるだけで、いかにも「空き家」という空間から、人が住む「家」へと生まれ変わりました。

【連載】古民家で暮らそう!

古民家だけでなく、ある一定期間人が住まなくなると家全体に空き家独特のカビ臭い匂いが充満しますが、逆に言うと人が住んで頻繁に窓を開けて換気さえすれば、それらの匂いは自然に無くなります。

また、田舎の多くの家は、古民家に似つかわしくない蛍光灯を使っていることが多いのですが、白熱灯に付け替えるだけでも、かなり日本家屋らしい雰囲気になるのが不思議です。

玄関を入ってすぐ左手にある田の字作りの間は、ボロボロだった畳表を張り替えてもらったので、家の中に畳のいい香りが漂っていて、まるで新築のような気分を味わうことができます。手前の柵のようなものは、当時飼っていた足の短い犬(コーギー)が畳の間に入らないようにするために、雰囲気に合った格子戸をリメイクして作ったゲートです。

庭に砂利を敷き詰める

巨大な農機具倉庫を撤去したため、庭全体がむき出しの土になり、雨が降るとぬかるんで車も停められなくなるので、砂利を入れてもらうことにしました。庭の奥と右側の縁、そして中央のシンボルツリーを植える場所は、樹木や草花を植え、畑として使うつもりでしたので、ユンボで柔らかく掘り返してもらいました。

砂利を敷き詰めた庭にヒトツバタゴを植えた頃

すると、地面の中から次々と出てくるゴミ…。ガラスや金属、時計やハサミ、サザエの殻など、何でもかんでも庭に埋めて捨てたと思われるものが大量に出てきました。ある程度の深さまでは手作業で撤去しましたが、きりがないので適当なところで諦めることにしました。

庭の真ん中に植えたのはヒトツバタゴと呼ばれる樹(通称:なんじゃもんじゃの樹)。子どもの頃に通っていた台北日本人学校の同級生たちが、転居祝いでお金を出し合ってプレゼントしてくれたものです。成長すると、初夏には雪が積もったように真っ白な細かい糸のような花が咲きます。すでに随分大きくなりましたが、これからの成長がとても楽しみです。

今では良い感じに草が生えてシンボルツリーも成長しています

壁が無いので寒くなってきた…

8月末に越してきたときには夏だったのでよかったのですが、11月になるとさすがに少し寒くなってきました。

連載06」で紹介した、雨漏りする箇所を切り離して中庭にしたときに撤去した壁の部分には戸がなく、赤い点線で囲われた部分が開けっ放しの状態でした。風が抜けてスースーする状態で、引き戸を付けないと、ストーブを炊いても部屋が暖まらないので、次の最優先課題はこの部分に引戸を作ることに決めました。

壁がない状態

引き戸をはめ込むために上枠を作らないといけないのですが、せっかくなので上の方に天袋をつけて、収納棚を取りつけることにしました。戸そのものから作らないといけませんので、すべてこの枠のサイズに合わせて、一からすべてのパーツを作っていかなくてはいけません。

引き戸が入る梁と上枠を取り付け、天井部分の壁をはめ込む

まずは引き戸の上部が入るレールと、天井に近い部分の壁をふさぐために板を貼り付けますが、上部の梁がいびつにカーブしているので、それに合わせて板を切らないといけません。何度も何度も微調整をして削り、やっとぴったりはめ込むことができました。古民家の改修では、こういった地道な作業がホントに大変で時間がかかります。

天袋収納を造る

当時、我が家には3匹の猫と犬が1匹いたのですが(現在は猫2と犬1)、1匹の猫がとてもアクティブな子で、この部分の柱をよじ登って屋根裏に脱出することを覚えてしまいました。自分で帰って来るのですが、煤だらけの屋根裏を徘徊した足で戻ってきて、布団の中に入ってくるのだけは勘弁。

屋根裏に脱出する猫と猫返し

製作中は柱を登るのを防ぎきれず、裏向けた段ボール箱を柱に取りつけ、鼠返しならぬ猫返しで対処しました。それでも他の場所を見つけて、何とか登ろうとしていました。一度目撃したときには、梁に爪を引っかけて懸垂をするようにして登っていきましたので、結局、戸が完成するまでは防ぎきれませんでしたけど…。

キッチン側に、調理器具類を収納するための天袋収納を取りつけます。棚を作ることそのものはそれほど大変ではないのですが、この重量のものを一人で担ぎ上げて梁の上に乗せ、電動ドライバーでビスを打ち込んでいかなければいけません。両手を使わないと思ったようにビスが打てないので、頭や肩を使って棚を支えながらの作業になります。

天袋の戸は、ただの板だとおもしろくないので、ホームセンターで格安で売っている押入れ用スノコを解体して使いました。取っ手は100均のツマミです。工夫をして時間さえかければ、それほどお金をかけなくてもそれっぽい雰囲気のものは作れてしまうのが、古民家改修のおもしろいところですし醍醐味と言えます。

完成した天袋収納

 

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