税制優遇が大きなメリット 「iDeCo」を知ろう【ひとり時代の資産形成:02】

ファイナンシャル・プランナーの水野綾香さん

ファイナンシャル・プランナーの水野綾香です。コラム「ひとり時代の資産形成」では、特に単身者の将来に備えた資産形成についてお伝えしています。

前回は、「老後資金を知る方法」というテーマで、老後資金がいくら必要になるのかを知る方法についてお伝えしました。そして今回からは、老後資金を十分に貯めるための具体的な方法や制度をご紹介します。今回のテーマは「iDeCo」です。

【前回のコラム】
老後2000万円は本当? 老後資金を知る方法

老後資金には断然有利! iDeCoってどんな制度?

老後のための資産形成には、貯金や年金保険など、色々な方法があります。そんな中でもオススメしたいのが個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」です。

iDeCoは、銀行や証券会社などそれぞれの運営管理機関が選定する運用商品の中から、自由に組み合わせて運用する年金制度です。運用商品ごとに仕組みや特徴などが異なるので、よく理解したうえで、自分に合った商品を選ぶことが重要です。

日本国内に居住している20歳以上60歳未満であれば、自営業者・会社員・公務員・主婦など多くの人が加入できます。ただ、規約で企業型年金とiDeCoの同時加入を認めていない企業の会社員など、一部加入できない人もいるので、自分が加入対象かどうかを予め確認しておく必要があります。

拠出できる掛け金の上限は、ステータスによって異なり、自営業者は月額6万8000円、公務員は月額1万2000円、会社に企業年金がないサラリーマンは月額2万3000円、専業主婦(夫)は月額2万3000円などとなっています。

一方の最低金額は、いずれも月額5000円で、1000円単位で拠出する金額を決めることができます。拠出金額は年に一度変更でき、積み立てを途中で停止することもできるので、ライフサイクルに合わせて調整できるのが特徴です。

こうして運用したお金は、60歳以降に「年金」または「一時金」として受け取ることができます。

そんなiDeCoのすごいところは、何と言っても「税制優遇」です。背景には、少子高齢化がどんどん進み、社会保障が弱くなっているという事情があります。国の力だけでは国民の老後を守れないので、「税制優遇をするから、自分で老後資金を準備してくださいね!」という国からのメッセージが隠れているのだと思います。

iDeCoのメリットは税制優遇

そんなiDeCoですが、どんなメリットとデメリットがあるのでしょうか。まずはメリットから詳しく見ていきましょう。

●所得控除で節税に

まずは所得控除について簡単に解説します。私たちが稼いだお金には所得税や住民税がかかります。所得控除というのは、この「稼いだお金(=所得)」から一定の金額を差し引いて、元の所得より少なく計算するということです。そうすることによって、課税対象の金額が少なくなり、所得税や住民税も少なくなります。

通常、貯金や投資信託などで運用する場合、積み立てたお金は控除されませんが、iDeCoは拠出額の全てが所得から控除されます。つまり、iDeCoを運用すれば、所得税や住民税が軽減されるため、節税メリットがあるのです。

●運用益が非課税

運用益が非課税というのも大きなメリットです。通常、金融商品で運用して利益が出た場合、その利益は課税対象となりますが、iDeCoはこの運用益にも税制優遇があり、税金がかかりません。

●給付時にも税制優遇

iDeCoでは60歳以降にお金を引き出すことができます。受け取り方は「一時金」と「年金」の2種類あります。「一時金」は、これまで積み立てたり運用したりした金額を全て引き出す方法です。一方の、「年金」は、分割で受け取る方法です。「年金」と「一時金」を併用することも可能です。

この「一時金」と「年金」には、どちらにも税制優遇があります。「一時金」として受け取る場合には「退職所得控除」が、「年金」として受け取る場合は「公的年金等控除」があり、どちらも大きく控除されます。

このようにiDeCoには3つの税制優遇があり、大きなメリットになっているのです。

iDeCoのデメリットとは

一方で、iDeCoにはデメリットもあります。留意すべき注意点はこちらです。

●60歳まで解約できない

長い人生の途中で、まとまったお金が必要なタイミングがあっても、iDeCoの口座には手をつけることができません。そのため、iDeCoだけに積み立てるのではなく、他の方法で同時に積み立てるようにするといいでしょう。

●元本割れのリスク

iDeCoでは、拠出したお金を自分で選んだ金融商品の中で運用していきます。元本割れをしない商品を選ぶこともできますが、そうではないものを選んだ場合、運用成績次第で大きく増えることも、元本割れをしてしまうこともあるので注意が必要です。

今回は老後資金を十分に貯めるための方法として、iDeCoを紹介しました。生きていれば誰にでも平等にやってくるのが老後。特に、単身者の場合は自分でしっかりと自分の身を守る必要があります。

老後資金は金額も大きいため、定年間近になって慌てて準備をしても間に合いません。少しでも早く老後に備えた準備を進めることができるよう、このコラムが少しでも役に立てば嬉しく思います。

 

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