「結婚したいと思ったことがない」 元博報堂マンがモテるのに結婚しない理由

AK男子の南祐貴さん。宿泊業と飲食業を経営している

晩婚化が進む日本。女性の平均初婚年齢は過去20年間で3歳も上昇し、最新の統計では29.4歳、男性でも31.1歳を叩き出しています。

そんななか注目を集めているのが、あえて(A)結婚しない(K)「AK男子」と呼ばれる若者たちです。都内で優雅に暮らす独身アラフォー貴族を高橋一生、斎藤工、滝藤賢一の3人が演じたドラマ『東京独身男子』(2019年4月~放映)が、記憶に新しい人もいるのではないでしょうか。

彼らは女性にモテないのではなく、仕事や趣味に没頭するがゆえ、結婚しない選択に至った方々です。今回はそんなAK男子の一人、起業家の南祐貴さん(30)に話を聞きました。

1億円で一軒家を買ったのはビジネスのため

南さんが経営するゲストハウスの外観

南さんは新卒で大手広告代理店、博報堂に入社。27歳の時に退職すると2018年にKoru-workers株式会社を自己資金で創業。現在は宿泊業と飲食業を経営しています。

「JR山手線の50年ぶりの新駅、高輪ゲートウェイ駅から徒歩5分の場所に一軒家を1億円ほどで買い、『Koru Takanawa Gateway Hostel, Cafe&Bar』というお店を開きました。港区高輪で初のゲストハウスのオーナーとして、日々、外国人観光客を迎えています。新駅ができることも全て見越した上で2年以上前から仕込んだものです」

昨今は大手の参入により都内のゲストハウスは供給過多になり、廃業する同業者も相次いでいますが、南さんの会社は売上が年間1500~2000万円にのぼります。

そんな南さんですが、これまで一度も結婚をしたいと思ったことがないそうです。

「会社員時代に見てきた30~40代の先輩既婚者たちが全然幸せそうじゃなかったんです。あえて口には出さないけど、社内の飲み会に後輩を連れて行って、2次会、3次会まで飲み明かす。なんとか家に帰らないようにしようと、顔と態度に出ていた。一方で、離婚した先輩は慰謝料と養育費を毎月10万円以上抱えているはずなのに嬉しそう。なぜ結婚したんだって(笑)」

南さんが経営するゲストハウスの宿泊部屋

「仕事と趣味に24時間を使いたい」

結婚したくない理由はそれだけではありません。南さんは「人生の”やりたいことリスト”がスクロールしきれないくらいあり、そのために24時間を使いたい」と、キッパリ。

「宿泊業の仕事はもちろんですが、それ以外にも趣味でやっていることがあります。1つはインスタなどで「セカニチ」(#世界最速で日経新聞を解説する男)という経済系のお役立ち知識の情報発信をやっています。周囲からめちゃくちゃ感謝されるので、自分が生きている価値を感じられるんです。もうひとつがラグビー観戦。代理店を辞めたのは、ラグビーの試合を自由に海外に見に行きたいのもあって、実際に本場イングランドやニュージーランドまで観戦しに行きました」

すべての時間を自分らしく使いたいというのは、会社を辞めた身だからこそ実現できているのかもしれません。本人は「24時間働いていると思えば働いているし、休んでいると思えば休んでいる」と語ります。

一体どこからそのバイタリティが湧き上がるのでしょうか。

「同い年でビジネスで成功したり、メディアに露出したりしている人を見ていると悔しい気持ちになるからですね。結婚したいというより、やりたいことをやらないままにしたくないって思います」

結婚相手はハードルは高めの「独立系女子」

しかしそんな南さんが唯一、結婚をしたいと考えているのが「独立系女子」だそうです。

「自分で会社を経営している、個人事業主として何かをやっている、何らかの情報発信をしているなど精神的、経済的に独立した人に魅力を感じますね。何かに熱中していて関心の幅も広い人だと、そのエネルギーによって、僕も仕事や趣味に向かっていくパワーをもらうことができるんです」

これも、世間一般が思うような、いわゆる理想の結婚相手とは微妙にタイプが異なっているようです。お互いに刺激を与え合う関係、いわばビジネスパートナーに近い存在なのでは? そう尋ねると、本人も首肯してくれました。

「これを言うと、変わっていると思われるかもしれませんが、2人で住む家はコワーキングオフィスでもいいです。別々の会社を営んでいて、たまにアイデアを共有できる関係とか理想的。ただ、ストレスになるので、お互いのビジネスには口出ししないでほしいです。仕事での悩みですか? それは会社経営している友人に相談します」

子育ての欲求は「インスタで満たす」

体調不良は1日で治す。大量にポカリを飲んで、汗をかきまくる

正直、かなり結婚へのハードルは高そう。さらに育児に関しても「子供がいなくてもいい。インスタグラムで満たされている」と語ります。どういうことでしょうか?

「同年代の女友達5人くらいが出産して、子供の様子をインスタグラムのストーリーでアップしてるんですよね。子供の体が大きくなってどんどん成長しているのを見ていると、全ての人類の脳に備わっている『子供育てたい欲求』が解消されるんです(笑)」

そのうち何人かは子供を連れて、南さんの経営するホステルを訪れたそうです。南さんも和気あいあいとオムツを変えたりしているそうです。

モテるのに結婚したくない…その理由

そう、南さんは決してモテないわけでないです。むしろエネルギッシュで健康的、経営者なのに低姿勢で清潔感もあります。

「今でもたまに女性から誘われることはありますが、すべてお断りしています。最後に女性と付き合ったのは1年以上前ですね。やっぱり受け身な方よりは、主体的な女性のほうが僕はタイプです。デートプランを考えたり、お店の予約をしたりするのは、どうしても疲れてしまうので」

いまでは、男女がお互いに好きな店を紹介し合える関係も珍しくなくなりましたが、たしかにデートのお店に関しては「男性が用意して当然」という風潮は根強くあります。

「結婚しないことで親から何か言われたこともありません。それよりも自分の息子が成し遂げたい夢に向かって突っ走る姿を見ているほうが心強いみたいです。僕自身も、結婚で時間が奪われて、人生の可能性が狭まるのでは?という焦燥感があります。今のお店も早く2号店、3号店を出したいし、イベントもたくさん開催して、多くの人に来てほしいんです」

一見、過激なようにも見える南さんの結婚観。しかしその裏には競争が激化したゲストハウス業界で勝ち残るための信念がありました。大企業から飛び出した彼が今後、どのような生き方を実現するのか、楽しみにしたいです。

 

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