アラサー女の歯列矯正。150万円つぎ込んで「新たな人生」を手に入れた

(イラスト・古本有美)

外見のコンプレックスを解消するために、いろいろな施述や治療にお金を投じてきました。光脱毛に医療脱毛、ブラジリアンワックス脱毛、ボトックスやヒアルロン酸注入をはじめとする美容医療……。

一体いくら使ったのかと思いますが、悩みのタネが小さくなり、生き生きと過ごせるようになったと考えると、すべて“投資”的で有意義なお金の使い方だと感じています。

そうやって自分をより良くする目的で受けた施術や治療の中でも、私が「最も良かった」と感じるのが歯列矯正(歯並びの矯正)です。後述するように、トータルで150万円という結構な金額を投じましたが、それを十分回収できるメリットがありました。

2015年夏に歯列矯正を始めて早4年半。1年ほど前に自分にとって理想の歯並びが完成し、人生がより良くなったのを感じています。健やかな歯は人生を変える。大げさではなくそう思っています。

綺麗な歯並びになって起きた3つの変化

矯正前。2011年11月。上下共に歯の生え方が歪んでいる
矯正後。2019年5月。撮影:タカハシアキラ

まず、歯列矯正ビフォーアフターの写真を順に並べてみました。こうして比較するとびっくりするほど変化しています。この変化で得たポジティブな要素は大きく3つあります。

1.口元に自信を持てるようになった
歯並びが見違えたと自覚してからは、意識的に口を大きく動かして話をするようになりました。これまでボソボソと話していたわけではありませんが、話し方はより良く変わったと感じています。以前と比べると、明るく元気な印象を与えられるようになったはずです。

2.歯を見せてニッコリ笑えるようになった
自分の外見に満足していませんが、歯並びだけは満足度90%くらいと高めです。そのためか、笑うときには歯を見せるようになりました。写真の写り方も変わったと思います。

3.デンタルケアへの意識が高くなった
歯列矯正を始めてから、デンタルケアを入念に行うようになりました。食後の歯磨きは当然ですが、通常の歯ブラシだけではなく、通常の歯ブラシでは磨ききれない部分へアプローチするために、先が細めなワンタフトブラシも用います。

さらに、歯間ブラシやデンタルフロス、舌クリーナー、洗口液、セルフホワイトニング剤も使い、完璧なケアに近づけています。虫歯は人生で2回ほどしかできたことがなく、虫歯ができにくい体質ですが、歯列矯正開始後も虫歯ができたことはありません。

受け口を気にせずに生きてきた私、でも…

「歯並びを直そう」。思い立ったのに大して深い理由はなかったと思います。ジムに通い始めて美意識が高まっていた時期に、ふと歯のことが気になりました。歯列矯正に「再挑戦」してみよう、と思ったのです。

下の歯が上の歯よりも前に出ている「受け口(反対咬合)」だった私は小学生の頃、母の勧めで歯列矯正に通っていました。でも、歯型を取るタイミングを筆頭に、鼻呼吸しかできない苦痛な時間に耐えきれず、歯列矯正を途中でやめていました。確か10歳頃の話です。

それから18年近く、歯並びのことは意識せずに生きてきました。「若干受け口気味なだけで、とても悪いわけではない」と思い、大人になっても歯にお金をかける発想がなく、別の美容に投資していました。でも、再チャレンジしようと決めて、近所の矯正歯科クリニックに行ってからは、一刻も早く美しい歯並びを手に入れたいと願うようになりました。

カウンセリング後すぐに治療を申し込み、150万円という大金を一括払いしたのは、「綺麗になりたいし、一生自分の歯で好きな食事をしたいし、思いっきり笑いたい」と考えたからです。

「歯並びが良くないと、歯のデコボコした部分を磨くのが難しくなり、丁寧に歯を磨いているつもりでも汚れを取り切れずに、残った汚れに含まれる細菌が、虫歯や歯周病を引き起こす原因になる」。カウンセリングでそんな話を聞き、歯に関するトラブルが起きる可能性を少なくしたいなと思ったのも、治療を即決した理由でした。

おすすめは「内側矯正」

歯列矯正の方法はいろいろあり、それぞれ料金相場が異なります。私が選んだのは歯の内側に矯正装置を取り付け、矯正をしていることが目立たない「リンガル矯正(舌側矯正)」です。

昔からメジャーなやり方である、歯の表面に矯正器具を取り付ける「表側矯正」を選ばなかった理由は、歯の表目を磨きづらくなり、歯が黄ばみやすくなる恐れを懸念したからでした。矯正しながらも白い歯をキープしたいと考えていました。

実際、舌側矯正は表面の歯磨きがしやすく、歯の白さを維持しやすかったです。さらに歯の裏側は装置が常に唾液で洗浄されるため、虫歯のリスクが少ないとも言われていて、装置装着中、虫歯になることもありませんでした。

ただ、舌側矯正にもデメリットはあります。例えば、料金が高いこと。クリニックによって差はありますが、表側矯正と比べると50万円くらい割高です。ただでさえ小さく精巧に作られた装置を歯の内側に取り付けるのは、相当難易度の高いことだと素人でも想像できます。だからその分高いのです。

装置を取り付けたり、歯並びの変化に合わせて調整したりしたばかりのタイミングでは、話しにくくなることもデメリットと言えます。発音次第では装置が舌の動きを邪魔して、滑舌が悪くなってしまうのです。

話しにくさと同時に、舌が器具の端に当たって傷ついたり、痛みを感じたりすることも、「装置調整後あるある」でした。数日経って歯が動いたり、その状態に慣れたりすると苦痛は和らぎますが、月一度程度通院して矯正装置を調整してもらうタイミングは、毎回そういった苦痛を覚悟していました。

こちらは4年前の夏、矯正装置を着け始めた直後、母親に送ったメールの文面です。歯列矯正を途中やめにして、治療費を無駄にした負い目があったので、大人になって自分のお金で矯正を始めたことを報告していました。当時、装置と格闘していた様が伝わります。

「矯正器具を上下(歯の裏側)につけはじめたのだけど、2日目から舌が引っかかってすごく痛かった。食べるのが苦痛で、しゃべれないほど。しゃべると舌がまわらんというか。でも、4日目にもなると慣れてきて、いろいろできるようになってきた。でも硬い野菜とかは食べられない。最近の矯正は見た目を気にする人は裏側につけるんだって。だから一見、私も普通の歯なのよ。あと、裏側につけたほうが、虫歯になりにくいんだって」

1日8時間マウスピース生活

毎月一度の通院を続け、その度に矯正装置を微調整し、目指す歯並びに向けて取り付ける……それを繰り返して1年半ほど経つと、歯並びは歯列矯正開始当初と比べて、明らかに整ってきました。

3年経つ頃には、ほぼ理想の形になったと記憶しています。矯正装置を取り外したのは3年半ほど経ったときでした。ただ、せっかく綺麗になった歯並びが元に戻らないよう、代わりに透明なマウスピースを常に装着して生活します。

このマウスピース生活は、外での食事のときに煩わしく感じました。いかなる時もマウスピースのケースを携帯し、食事前には必ずお手洗いに立ってマウスピースを外し、食後は歯磨きをしてすぐに取り付ける必要があったからです。

丸4年経つ頃には、「1日8〜10時間を目安に装着」として、マウスピースを取り付ける時間が短くなりました。現在、夕食後または就寝前から起床時間まで、マウスピースを取り付けています。通院ペースも2カ月に一度、3カ月に一度、そして直近では6カ月に一度と間隔が空くようになりました。

2〜3年という長い時間をかけて整えた歯並びは、マウスピースを着けるのをサボると簡単に元に戻るそうです。担当医からそう聞いて、絶対に綺麗な歯並びを維持したいと心に誓った私は、マウスピースを着け忘れることはありません。すべてはお気に入りの歯並びをキープするためです。

何歳からでも遅くない

4年半前まで、自分が歯並びを直すことになるとは予想もしていませんでした。時間とお金をかけて歯列矯正が完成した今、やってみて本当に良かったと感じています。「成人矯正」という言葉があるように、歯列矯正を始めるのは大人になってからでも遅くはありません。

歯が生え変わり、歯並びが変わっていく子どもと比べ、歯並びが大きく変わることのない大人の方が、立てた治療計画に基づいて、予定通りに治療を進めていける強みもあるのです。今、歯列矯正を検討している人、少しでも興味があるけど踏み出していなかった人へ、私の経験談が少しでも参考になっていれば幸いです。

 

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