東京モーターショー ニコンの最新ミラーレス Z 7で撮ってみた:前編

電動化ビジョン「Lexus Electrified」を象徴するレクサスのコンセプトカー「LF-30 Electrified」。(東京都江東区の東京ビッグサイト・南展示棟)。カメラ:Nikon Z 7、レンズ:NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S、30mm、F3.5、1/50秒、ISO100。手持ち撮影

いまやミラーレスカメラの特徴、なくてはならない機能のひとつとも言える「瞳AF」機能。ニコンZシリーズも、ファームウェア のバージョンアップ(Ver2.0)で追加されました。

今回は、10月24日~11月4日にお台場エリアで開催された「東京モーターショー」で、最新技術を搭載した車やコンパニオンを「Z 7」で撮影。今年の春から秋にかけて相次いで発売されたNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S、NIKKOR Z 85mm f/1.8 S 、NIKKOR Z 24mm f/1.8 Sの3本のレンズを交えて、ニコン Z 7の性能を確かめてきました。

Nikon Z 7とNIKKOR Z 24mm f/1.8 S

NIKKOR Z 24mm f/1.8 Sを装着したNikon Z 7

小型で軽量のミラーレスカメラ

ニコンがミラーレス市場に参戦したのは昨年9月。スタンダードモデル「Z 6」と、高画素モデル「Z 7」です。機種名に冠した「Z」は究極・最高を意味し「究極の性能を追求していく姿勢」「最高の満足感を得てほしいという願い」を込め「未来への『架け橋』を想起させるアルファベット最後の文字として選んだ」といいます。ニコンのミラーレスにかける決意を感じさせます。

イメージセンサーには、像面位相差AF画素の裏面照射型CMOSセンサー、画像処理エンジン「EXPEED 6」を搭載。「Z 7」は4575万画素で常用感度ISO64~25600、「Z 6」は2450万画素のISO100~51200の幅広い常用感度域を実現しています。

がっちりボディはニコンの伝統、本体は軽量で堅牢なマグネシウム合金製です。ボディ内蔵の5軸手ぶれ補正機構を収めてもサイズはいずれも幅134mm、高さ100.5mm、奥行き67.5mmとコンパクトに仕上げてあります。重さは「Z 7」が675g、「Z 6」が585gとわずかに軽量です。

東京モーターショー「OPEN ROAD」

超小型EVやキッチンカー、キャンピングカーが並ぶ無料ゾーンの「OPEN ROAD」(東京都江東区の東京ビッグサイト・青海展示棟前)。カメラ:Nikon Z 7、レンズ:NIKKOR Z 24mm f/1.8 S、24mm、F10、1/400秒、ISO100。手持ち撮影

本体手ぶれ補正と「回折補正」は便利

Zシリーズから、ニコンで初めてカメラ本体に手ぶれ補正機構を内蔵しました。「カメラ内センサーシフト式VR」は、近距離撮影で目立ちやすくなる上下と左右、さらに正面向かって左右方向に回転する「Yaw」、上下方向に回転する「Pitch」、動画撮影の時に特に目立つ、時計回り・反時計回りの「Roll」の計5軸のブレを補正について、高い効果を発揮しています。レンズのVR(Vibration Reduction:振動減少)機構で培った経験が生きてますね。

風景などの撮影に効果の高い「回折補正」機能も搭載しました。より広い範囲でピントが欲しい場合、F16~20などに絞って被写界深度を深くすることがあります。しかし、ピントは合っているのに画像が甘くなる、解像度が低下してしまう現象が起きます。これを「回折現象」と言います。Z 7には「回折補正」という機能があり、これを軽減してくれます。

今回の作例では、F10程度までしか使って撮影していませんので、効果が明確にはわかりにくいですが、柔らかい描写を好む場合を除いて、設定はONにしておくことをおすすめします。

レクサス LF-30 Electrified

電動化ビジョン「Lexus Electrified」を象徴するレクサスのコンセプトカー「LF-30 Electrified」。(東京都江東区の東京ビッグサイト・南展示棟)。カメラ:Nikon Z 7、レンズ:NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S、30mm、F3.5、1/50秒、ISO100。手持ち撮影

逆光に強いレンズコーティング

ミラーレスZシリーズ用の「NIKKOR Zレンズ」は「S-Line」と名付けられています。「S」には「優れた(Superior)」「特別な(Special)」「精緻な(Sophisticated)」という意味があるそうです。現時点で発売されているフルサイズ(FXフォーマット用)のレンズはすべてS-Lineになっています。今回は春から続々と発売されている新しいレンズ3本を試しましたので、それぞれご紹介します。

まずは、今年4月に発売された「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」。

カメラレンズの世界では、開放絞り最小値がF2.8という明るい高品質のレンズで統一された「広角」「標準」「望遠」のズームレンズ3本を組合せを、「白」「發」 「中」の3種類を揃えて成立させる麻雀の役満に例えて「大三元」と呼んでいます。この3本を揃えておけば、16~17mmの広角から、200mmの望遠までカバー出来るので、だいたいの撮影をこなせるからです。とはいえ、金額もそれなりにしてきますので、憧れのレンズとされており「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」はその中核をなす標準ズームレンズです。

なんといっても使い勝手が良いのが、ズーム全域0.38mという短い最短撮影距離。全長が126mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで)なので、レンズ先端から27cm未満になります。レンズ構成は、EDレンズ2枚、非球面レンズ4枚採用の15群17枚。レンズには新開発のアルネオコートが採用されています。

従来から使われているナノクリスタルコートは、様々な角度の範囲で入ってくる光に対して反射防止して、ゴースト、フレアを低減するコーティングですが、新開発のアルネオコートは、レンズ面に対して垂直に入ってくる光の反射を抑えます。これらが併用されることで、逆光に対して威力を増します。

レンズの重さは805gと手元にずっしりきますが、一眼レフ時代の同等のレンズよりも200g以上軽い設計。量販店では税込み27万5000円ぐらいの価格は「超重量級」ですが、開放絞りでもディテールまでシャープに描写するレンズです。

「NIKKOR Z 85mm f/1.8 S」は9月に発売されたばかりの、ポートレートに最適な最小絞り値F1.8の中望遠レンズ。ピント面から滑らかなグラデーションを描く柔らかい自然なボケ味と美しさにこだわり抜いたレンズで、玉ボケも画像周辺部まで綺麗な円形を保って美しいです。前編と後編の「フォトギャラリー」に出てくる作例の背景でその辺を確かめて頂けると思います。

フィルター径は67mm。重さ470g。最低焦点距離は撮像面から0.8mとちょっと間合いが取りにくです。レンズマウント基準面からレンズ先端まで99mmあるので、レンズ先端からだと実質は70cmくらいですが、寄りすぎに注意です。

「NIKKOR Z 24mm f/1.8 S」は先月発売されたピカピカのニューフェイス、最小絞り値F1.8の広角レンズです。絞り開放から「サジタルコマフレア」(画像周辺部の点光源の像が翼を広げた鳥のような形ににじむ収差)を効果的に抑制し、画面の周辺部まで点光源をしっかりと点として忠実に再現しているといいます。

東京モーターショーは、ピカピカに磨いた車のボディが照明を反射する点光源が多いので、フレアが発生しやすい環境ですが、Zシリーズのいずれのレンズでも起きませんでした。逆光の多いライブやお芝居などの舞台環境でも大いに効果を発揮することでしょう。

海外ブランドは多くが姿消す

サメをモチーフにしたバイオデザインが特徴的ないすゞ自動車のコンセプトモデルのトラック「FL-IR」とコンパニオンのみなさん。(東京都江東区の東京ビッグサイト・青海展示棟)。カメラ:Nikon Z 7、レンズ:NIKKOR Z 24mm f/1.8 S、24mm、F4.0、1/60秒、ISO160。手持ち撮影。ストロボ(スピードライトSB-5000)使用。以下、いずれもAdobe Lightroomで露出、シャープネスなどを調整しています

ニコン Z 7で撮影した「東京モーターショー 2019」は、今回で46回目。「OPEN FUTURE」をテーマに、未来のモビリティ社会を体感してもらおうと総勢192の企業・団体が参加しました。会場は東京のお台場エリアで、有料エリアとなる東京ビッグサイトの青海・西・南展示棟に加え、無料エリアのトヨタのメガウェブでは、主催者シンボルイベントの「Future Expo」、晴海と青海をつなぐシンボルプロムナード公園では、超小型モビリティ・パーソナルモビリティ・電動キックボードの体験試乗なども楽しめました。

先日発表された総来場者数は130万900人。キッザニアとのコラボレーションで全11の職業体験プログラムを子ども向けに設けたこともあり、特に14歳以下の来場者の割合は、速報値で前回比約7割増だといいます。

筆者も何度か訪れていますが、今年は特にほぼこのまま販売される形での電気自動車(EV)の展示が多く見られた反面、メルセデスベンツ、アルピナ、ルノーなどをのぞいて、海外ブランドがほとんど姿を消したのはちょっと残念でした。

ニコン Z 7の概要はこちら
今回使用したレンズの概要は下記リンクから
NIKKOR Z 85mm f/1.8 S
NIKKOR Z 24mm f/1.8 S
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S

以下、フォトギャラリーでお楽しみください。

(後編に続く)

 

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