「最高グレード」のステーキから活力をもらう夜【ひとりグルメ紀行:3】

仕事帰りのステーキとビール、最高です(撮影・萩原美寛)

どちらかというと、人にあまり教えたくない。自分の中にそんな特別な店を持っている人は少なくないのでは。混みすぎて入店しづらくなるのが嫌、知り合いに会いやすくなるのがちょっと……。いろいろな理由があるでしょう。

筆者もそんな店をいくつか持っています。でも、店が繁盛するからこそ自分も通うことができるし、好きな店が長く営業を続けてくれるわけで、いいなと思う店は人に伝えたほうがいい、とも思い直すのでした。

たとえば、地下鉄永田町駅(東京都千代田区)から地上に出てすぐのところにある「アンカーポイント(Anchor Point)」も、そのひとつです。

ひとり時間を優雅に彩りたい。そんな人にオススメの飲食店を紹介する連載【ひとりグルメ紀行:3】では、アンカーポイントをご紹介します。

カフェのような、バーのようなステーキレストラン

NYを思わせる洗練された外観(撮影・萩原美寛)

「ステーキレストラン」と言うとわかりやすいですが、アンカーポイントは一般的なステーキレストランとは一線を画します。

ビルの1階をリノベーションして生まれた店舗は、約6メートルにもなる高い天井と全面ガラス張りの壁が特徴。自然光がたくさん入り、明るい雰囲気で、リラックスできる開放感があるのです。

席同士の間隔は十分すぎるほどに取られ、通路幅も広く、悠々とした空間設計がなされているのを実感します。食べ終わっても「もう少しゆっくりしていきたいな」といった思いが湧き上がるような場所。

シェフ兼店長を務める斉藤守さん(撮影・萩原美寛)

「実際、食後にゆっくりされるお客様は多いです。コーヒーを楽しまれる方や読書される方、パソコンを開いてお仕事をされる方など、それぞれいろいろな過ごし方を楽しまれています。一般的なステーキレストランとは異なる使われ方をしていると思います」(斉藤さん、以下同)

店のすぐ外にあるビーエスビーコーヒーロースターズ(撮影・萩原美寛)

こう語るのはアンカーポイントのシェフ兼店長、斉藤守さん。店の外にある「ビーエスビーコーヒーロースターズ(b.s.b COFFEE ROASTERS)」で直焙煎した豆を使ったコーヒーをドリンクメニューとして提供しているのも、ゆったり過ごす需要に一役も二役も買っていることでしょう。

自家醸造クラフトビールも自慢のメニュー

カウンター席ではひとり時間を楽しむ人が多い(撮影・萩原美寛)

「おひとりでいらして、食事やコーヒーはもちろん、ビールを楽しんでいかれる方もいます。カウンター席も充実しているので、おひとりでも気軽に入りやすいと感じていただけているようでうれしいです。ビールは自家醸造したものをお出ししていて、好評をいただいています」

アンカーポイントが自家醸造するビールは、クラフトビア・アソシエーション(日本地ビール協会 ※1)開催の「ジャパン・グレートビア・アワーズ2019」において、4部門で4つの金賞を獲得。

ビール好きならひとりでもふらっと立ち寄りたくなるのは、ラインナップが季節ごとに変わるからではないでしょうか。その時期に美味しく飲めるものを常時3〜4種類提供しています。

芳醇な香りが印象的なクラフトビール(撮影・萩原美寛)

この日は「セッションインディアペールエール」(写真右/800円・税込)と「バニラチョコレートスタウト」(写真左/800円・税込)をいただきました。バニラチョコレートスタウトはチョコレートコーヒーを思わせます。香りはバニラビーンズで甘めですが、味はビターで大人びた感じが特徴です。かと言って苦味が強いわけでもありません。

セッションインディアペールエールはキリッとした苦味が効いた中に、柑橘系のジューシーな味わいが含まれています。

続いて、本題のステーキに進む前に、アンカーポイントで必ず食べてほしいメニュー「クラムチャウダー」(800円・税込)に少々言及しておきたいです。ご存知の通り、洋風スープであるクラムチャウダーですが、どこか“和”を感じるのは、鯛のアラから取った和風出汁を混ぜているからだそう。

(撮影・萩原美寛)

表面に浮いている黄緑がかったものは、長ネギが原材料となるスカリオンオイル。上品です。スープに沈んだハマグリは身がとても大きく、うれしい満足感を得られる一品です。

最高グレード「プライム牛」の上質感に感動

食事のメインイベントとなるのは米国産プライム牛リブアイステーキ(300g/4900円・税込)。カフェやバー的な要素も備えたアンカーポイントですが、表の顔はステーキレストラン。だからこそ仕入れる肉にはこだわりがあり、とても上質なものを使っています。

薪火でステーキを焼き上げる(撮影・萩原美寛)

「アメリカ産の最も高いグレードを誇るプライム牛を仕入れています。プライム以下にはチョイス、セレクトなどが続き、肉質や脂の質、サシの入り方などでランク分けされて出荷される中で、最上グレードなのがプライムです。アメリカでのプライム総生産量の2%が日本国内に入ってきていて、当店ではその一部を買い付けています」

つまり、プライムのほとんどはアメリカ国内で消費されているわけで、2%の貴重なプライムをアンカーポイントに来れば食べられるということ。レアに焼いてもらったリブアイステーキは柔らかくジューシーで、脂肪の少ない上質な赤身が特徴的。思わず自然な笑顔がこぼれてしまう、洗練度の高い肉をいただけます。

良質なタンパク質である赤身肉を食べると、心身共に元気になるような気がします。良い肉を食べたいと思い立ったときはもちろん、ひとりでビールを飲みたい夜、仕事の合間にエネルギー補給したいときなどに、アンカーポイントに立ち寄ってみては。

その時々の自分の「あれ食べたい!」「あれ飲みたい!」が叶い、幸福感で満たされると思います。

※1 世界で3番目に歴史を持つ世界のビール品評会インターナショナルビアカップなどを開催している団体。

 

特集

TAGS

この記事をシェア