女子大生が作る「女の子のひとり旅」を応援するフリーペーパーが優秀賞

受賞した「たびぃじょ vol.19」を手にする(左から)櫻井夏菜さん、中村優花さん

「女の子のひとり旅」を応援するというコンセプトのフリーペーパー「たびぃじょ vol.19」が、日本タウン誌・フリーペーパー大賞2019(一般社団法人日本地域情報振興協会主催、観光庁など後援)の観光部門で、優秀賞を受賞しました。企画から編集、出版、配布まで、すべて都内の女子大生らからなる「学生団体mof.」のメンバーが担いました。メンバーは「たびぃじょをたくさんの人に読んでもらえるきっかけになれば」と喜んでいます。

学生団体mof.は2008年に設立されました。11年4月からは、春と秋の半年ごとにフリーペーパーを毎回1万部発行しています。男子学生がメンバーになった時もありましたが、現メンバーは、早稲田、立教、法政、明治、成蹊、聖心女子、桜美林の都内7大学の女子学生11人。毎週土曜日の夕方から都内のフリースペースに集まってミーティングをして、企画を練ったり、レイアウトの校正をしたりしているといいます。

発行にかかる経費も、メンバーで調達しています。手分けして旅行会社や観光協会などに「営業」して媒体の趣旨を説明し、協賛を得ています。

「たびぃじょ」って?

フリーペーパー名にもなっている「たびぃじょ」とは「かわいくて、おしゃれで、おちゃめな、ひとり旅好き女子」のことで、創刊の際に独自にネーミングしたそうです。

受賞した19号は、B5サイズの38ページ。巻頭特集は「ひとり旅デビューはマカオで決まり!!」です。

担当したのは、桜美林大2年の櫻井夏菜さん(20)。マカオ政府観光局の協力を得て、4泊5日の旅費を出してもらって、他の日本メディアと一緒に現地を巡りました。

自由行動の日には、世界遺産を含む観光地に行き、自前のミラーレスカメラで写真に収めました。スイーツを中心に、現地の人に親しまれているグルメを楽しんだそうです。

櫻井さんは「ポルトガルの植民地だった名残で、原色中心のカラフルな建物が多かったです。紹介したスポットは、写真映えが気になる女子を意識して選びました」と振り返ってくれました。

櫻井さんが担当したマカオ特集のページ。写真映えするスポットを数多く取り上げている

「取材」の成果は、巻頭6ページを飾りました。おすすめの観光コースを提案しているほか、現地には3種類のジャンルの料理があることを料理の写真入りで詳しく紹介しています。

具体的には、大航海時代の影響を受けたスパイシーな料理が多い「マカオ料理」、肉や海鮮類をオリーブオイルで調理するのが特徴の「ポルトガル料理」、フカヒレやアワビなどの高級食材を使うのが特徴の「中国料理」、といった感じです。

マカオのオススメ料理のページ。料理が詳しく紹介されている

このほか、19号には、メンバーが実際に旅をしたモンゴル、バリ、モロッコ、国内では金沢、横須賀、川越のオススメスポットが写真入りで紹介されています。

女子大生の6割が「ひとり旅」に興味

女の子のひとり旅は、現地の治安やトラブルに巻き込まれるなど、安全面が気になって、踏み出せない現実もあります。学生団体mof.が昨年、女子大生1000人に実施したアンケートによると、ひとり旅について「行ったことがある」が28%に対し「行ってみたい」が60%。興味はあるけど、半数以上が行動に移せていないようです。

そうした心配を解消する手だてとして、19号では「テンツキ(添乗員付き)ツアー」を提案しています。旅のスペシャリストである添乗員がいることで安心感がある、ホテルや移動手段などを自分で手配する必要はない、ひとり参加でも参加者同士で仲良くなれる、といったメリットを挙げ「自由時間がたくさんあるプランなら、ひとり旅の練習にもなるよ! 自由時間の行動プランを考えて過ごしてみれば、ひとり旅に行きたくなるはず!」と促しています。

編集作業を振り返る(左から)櫻井さん、中村さん

学生団体mof.の代表で、早稲田大学3年の中村優花さん(20)は、海外ひとり旅の魅力について「現地の人たちとの出会い」と「自由に行動できる」ことを挙げてくれました。今夏にネパールを旅した際、現地の女子中学生4人と仲良くなり、自宅に招かれたといいます。帰国後もSNSを通じてやりとりを続けています。

「中国に行ったときには携帯電話をなくしてしまい、途方に暮れていましたが、現地の人からシムフリーの携帯をもらって何とか旅を続けられました。その携帯は、インドに行ったときに、携帯をなくした男性に譲りました。まさに『携帯のリレー』です(笑)」と、海外で特別な体験をしたことを紹介してくれました。

櫻井さんは「私は食べることが大好きです。友達と一緒だと、おなかいっぱいで食べきれない人が出てくるから、遠慮する場合があります。でもひとりだと、人に合わせず、時間も気にせずに、旅先のおいしいものを食べることができます」と話してくれました。

「伝えたいことを自由に」

最新の3号。17号はオーストラリア、18号はタイを特集している

今回の受賞は、国内外402媒体がエントリーした中から、観光部門での優秀賞5媒体のうちの一つに選ばれました。さらに、12月8日には学生フリーペーパーの祭典と言われる「SFF(Student Freepaper Forum)2019」で、50誌の中から、見事グランプリを獲得しました。

最終審査では「プロから見ても〝たびぃじょ〟と組んだら面白いかも、という気にさせられた」などと高評価を受けたといいます。

現在は、来年4月の20号に向けて取材、編集活動を始めています。節目の号となることから、たびぃじょ創刊からの歴史や、OGへのインタビューといった振り返り特集を考えているそうです。

中村さんは「これまでの先輩方が培ってきたノウハウが大変役に立っています。これからも、伝えたいことを自由に書いていける媒体でいたいです」と力強く語ってくれました。

「たびぃじょ」は都内の大学やカフェ、全国のゲストハウスなど計250カ所以上に置いてあります。電子版でも読めます。問い合わせは学生団体mof.へ。

 

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