【古民家で暮らそう!:20】ギャラリー&雑貨屋をオープン!(上)

敷地への誘導用の看板の制作風景

しばらく連載の期間が空いてしまいましたが、これまで進めてきた大きな改修作業のご紹介はおおむね終了しました。これから先、手を付けたいな…と思っているのは、母屋の屋根裏です。

我が家は、トタン板の下は茅葺(かやぶ)きの三角屋根ですので、母屋の田の字作りの屋根裏は6畳+6畳+4.5畳+4.5畳=21畳ほどの広い空間があります。そこを有効に使えたらと思っていますが、なにぶん100年近いホコリと煤(すす)が溜(た)まっています。掃除をするだけでもかなりの勇気と根性が必要です。やるとすれば、ずっと先になるか、諦めるか、もしくは専門家に協力してもらってやるか、のいずれかになると思っています。

知らない人が自由に出入りできる場所に

母屋と離れをつなぐ廊下の部分の部屋を壊して広い空間に造り替えたことは「連載11(ヘビメタをかけながら部屋をぶっ壊す!)」でご紹介しました。この空間を利用して「人と出会える空間」を作ることにしました。

もともと私の仕事は、地域の取り組みをプロデュースするような仕事や、日本各地の自治体が運営する動物愛護センター、民間団体などの教育ツールの企画開発などのデザインをしています。ですので、新たな活動を展開するためには「人と出会う」ということが、とても重要な要素を占めています。また、これまで自分の周囲にいた人とは違う価値観を持った人たちに出会わなければ、自分では全く気が付かなかった潜在的な可能性も、広がることができません。

かと言って、ただ場所を開放しただけでは、人は来ません。まずは「古民家ギャラリー&雑貨 kotonoha」という名称で、これまでに自分で作りためてきた切り絵作品や、仕事で描いたイラストの原画などを展示するギャラリー部分と、地元の特産品である杉原紙(和紙)を使ったペーパーブローチや、張り子などを販売する雑貨屋さんとしてオープンさせることにしました。

兵庫県多可町の特産品に認定されている杉原紙を使ったペーパーブローチ
杉原紙を使った切り絵作品

パレットを解体してディスプレーラックを作る

通常は自宅の一角を使った事務所でデザイン業務をしているので、生活をするためのものは全て整っています。しかし、実際に金〜月曜日の週末を挟んだ4日間営業をするとなると、それなりにいろんなものを準備したり作ったりしなければいけません。

まずは、作品や商品を展示するためのディスプレーラックを用意しないといけません。できれば、ブラックのアイアンフレームのものを使いたかったのですが、調べてみるとかなりの金額で、使いたい場所にぴったり収まるサイズの組み合わせも見つかりません。

そうなると自分で作るしかありません。工務店から薪用にいただいたパレットを解体して作ることにしました。アイアンのフレームは、特に重たいものを乗せるわけではないので、角材を組んでつや消しブラックのペンキを塗り、仕上げに砂で磨いて微妙に汚れた感じにしました。すると、見た目には木だとは分からない風合いになりました。

商品の展示台の制作

店の看板作り

廃材を使ってエントランスの看板作り

このお店はたくさんの人に来てもらって、たくさん物を買ってもらうことが目的の店ではありませんので、雑誌などに広告を出して広報をする類の店ではありません。それでも看板は必要です。あえてあまり目立たないようにしているのですが、何かよく分からない古民家の店っぽい場所にわざわざ立ち寄ってくださる方は、きっと我が家と同じような価値観を持った人たちだと思います。この部分で、ある程度お客さんの層を選ぶことができます。

作らないといけない看板は3種類です。まずは玄関横に設置する小さめの看板。車で通る人が、上り・下り両方から見える看板。一番大きなのは「kotonoha」の文字だけですが、家の敷地内に車で入ってくる場所です。

玄関横の看板は、この家を購入したときに納屋に転がっていた分厚い一枚板を捨てずに置いてあったものを使いました。きれいに磨いて、全面に貼ったマスキングテープをカッターで切り抜いて文字を書きました。ステンシルのように切文字にすることで、きれいな直線と曲線を書くことができます。かなり重たいので、設置はワイヤを使ってつり下げてあります。

道路脇の看板も同様に切文字を使ってテキストを書きました。ワンポイントとして、以前「犬のウンチは拾って帰りましょう」のキャンペーン用うんち袋のデザインで使った犬のイラストを複製して使いました。上り・下りの両方から見えるように貼り付けました。

それほど大きなイラストではありませんが、ド派手な犬ですので、かなりインパクトがあります。これを見ただけでは「いったい何の店なんだろう…!?」という感じになりますが、そうやって入ってきてくださる方たちと出会えるほうが、私としては面白いです。

道路脇の看板

一番大変だったのが、敷地に誘導するための看板設置です。看板そのものを作るのは、糸のこ盤を使って板を切り抜いた文字を貼れば済むのですが、まずはその下地を作る作業からやらなければいけません。

この鉄板は、お隣の畑との敷地に立っているものですので、この鉄板を目隠しするために、大量のパレットを解体し、先をとがらせて防腐剤と着色用にキシラデコールを塗り、鉄板沿いに地面に打ち込んでいきます。ランダムに並んでいる方が雰囲気があるので、細かいことはあまり気にしなくても良いのですが、とにかく壁面の距離があるので、なかなか進みません。しかし、これをやったおかげで、それまでは無機質だった壁が、一気にお店っぽい雰囲気に生まれ変わりました。

(続く)

 

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