「結婚しなくても幸せを実感できる」 43歳独身”ジャニオタ”女子の結婚観

芸能の女神を祀っている京都の車折神社にて。指差す先には、大ファンのV6坂本昌行さんの名前が

50歳までに一度も結婚したことがない人の割合を表す「生涯未婚率」。2015年の国勢調査の結果、男性は23.4%、女性は14.1%に達しました。この数字は増加の一途を辿っており、2035年には、男性が29%、女性で19.2%になると推計されています。

このように結婚しない人が増える中、最近では「結婚しない」ことを選択する人たちが現れています。コンサルティング会社に勤める斎藤明子さん(仮名、43歳)もその一人。独身を貫く斎藤さんは、「結婚をしなくても幸せを実感できる」と強調します。そんな斎藤さんに話を聞きました。

「結婚して幸せになった姿を思い描けなかった」

「気づいたら今まで結婚していませんでしたね。私が大学に入学した時、父親が病気で倒れて、母親が介護していました。その頃から夫婦関係もギクシャクしだして、それを見ていたから結婚に抵抗があるのかもしれません。ほかの親族を見ていても、円満な結婚生活を送っている人がいなかったし……。

私は結婚って、ひとつの契約だと思うんです。企業だとリスクを考慮して判断をするのに、リスクがそこそこ高い結婚に合意するという考えを私は持てませんでした。きっとそれだけ思える相手に出会わなかったってことなんでしょうね」

そう結婚しない理由を語る斎藤さんですが、25歳のときに結婚を考えたことがありました。

「当時お付き合いしていた方がいました。良い人だったのですが、私が就職して働き始めたばかりで自由な時間を持てるようになり、自分が家庭と仕事を両立している姿を想像できなかった。それと結婚でキャリアを中断したくないなとも。結婚することが目標になり、相手の方と結婚して幸せになった姿を思い描けなかったのも大きかったです」

それ以来、齋藤さんは結婚を考えることがなくなったといいます。

2度の転職で年収は1000万円超に

斎藤さんは1990年代後半の就職氷河期に都内の大手メーカーに就職。そこから2度の転職を経て、現在は都内のコンサルティング会社で管理職として働いています。年収は1000万円超のキャリアウーマンです。

「それなりに収入もあるため、経済的にどうこういう人もいないですね。また幸いなことに、超氷河期の世代だったことで、結婚してない女性が周囲に多いのもあります。それもあり同窓会へ行っても、結婚していないことに後ろめたさも感じる機会は少ないです。社内では誰も私に『結婚しないの?』とは言いませんし、逆に後輩の女性には、私から『早く結婚したほうがいいんじゃない?』とは言いますね(笑)」

理想の男性と結婚をしようと必死になる姿とは無縁。斎藤さんはキャリアウーマンとして、とても幸せそうな生活を送っています。しかし、そこに至るまでには様々な苦労があったそうです。

「ちょうど就職氷河期の頃だったので、新卒採用で思うような会社に就職できなかったんです。大学は服飾系の女子大でしたが、今の職業は大学時代に学んだこととは全く領域も異なります。ただ、根底にあるものは変化していないと思います。常に自分の出来ることと、チャレンジしたいことを整理し、30歳直前、40歳直前でまったく別の領域へ足を踏み入れています。結果として大学の頃には想像もしなかった仕事に就いていますね」

V6の大ファンでツアー”全ステ”も

「ファン歴25年の集大成」だというサイン。左から三宅さん、坂本さん、井ノ原さん(撮影・斎藤さん)

就活ではつまずいてしまった斎藤さんですが、就職後は独学で簿記関連の資格を獲得するなどキャリアップの努力を欠かしません。今もスキマ時間を活用して、会計士の資格を勉強中。「仕事5割、勉強3割、遊び2割」の割合で、自己研鑽を続けています。

そんな彼女のつかの間の息抜きとなっている趣味が、2つあります。その1つが「ジャニーズ」です。

「幼少期からジャニーズは好きですが、1997年からはずっとV6が好きです。過去には約20公演のツアー全部を見に行く『全ステ』をしたこともありました。V6は今年11月に25周年を迎えるのですが、毎年CDを発売しているグループが25周年を迎えることはジャニーズ初だとか。平均年齢43歳になりますが、顔もスタイルも抜群!

40代になってからは、特に彼らが発するコメントからも魅力を感じています。それは彼らがアイドルであることを自覚し、未知のアイドル像を自ら作り出しているからです。ロールモデルのない分野(40代のアイドル)においての開拓者です。さらに、彼らの謙虚な姿勢は、コンサルティング会社の日常生活ではあまり遭遇しないタイプなのも魅力でしょうか」

V6の中でも斎藤さんが特に応援しているのが坂本昌行さん(48)。実はこの日の取材も18年ぶりに行われた「20th Century(トニセン)」(坂本昌行、長野博、井ノ原快彦からなるグループ)のディナーショーの公演直後に行われました。

「ミュージカルに出演しているときの坂本さんは作品を重ねるたびに、歌、踊り、演技の繊細さにおいて奥行きを感じます。私にとって坂本さんは、『堂々としている舞台俳優』というよりも『なんでこんなに素敵なの?』って、毎回新たな一面をアップデートしてくださる感じなんですよね」

趣味で作っている梅干しとカラスミ

趣味で作っているというカラスミ(撮影・斎藤さん)

そして斎藤さんのもうひとつの趣味が「食」にまつわるものです。「食べることと、作ること」どちらも好きだそうです。

「自分自身で作るのは梅干し、カラスミなどです。材料を購入するのは、築地時代から東京中央卸売市場。行きつけの仲卸業者があり、スーパーでも販売していない魚の部位や、ボラの卵巣(カラスミのもとになる)などを購入します。地方や海外に行った時の市場巡りや調味料購入も楽しみのひとつで、鍋は家に10個ほどあり、冷蔵庫は一人暮らしなのに450リットルあります。お弁当も作ります」

「結婚しなくても幸せを実感できる」

そんな斎藤さんですが、「幸せの価値観はひとそれぞれですが」と前置きをした上で、結婚しなくても幸せに生きることができると話します。

「結婚=幸せという方程式が、日本文化の中にはまだあると思います。それを何となく信じて生きてしまったがゆえに離婚や、育児に追われて苦労している人もいるのかもしれません。一方で、結婚しなくても幸せを実感することはできるのです」

かつて、斎藤さんは仕事が多忙になりすぎた結果、ストレス障害と診断されたそうです。そこでマインドフルネスを学び、「ポジティブ心理学」と出合い、幸せの考え方について影響を受けたました。

「幸せの構成要素は、生まれ持った才能や容姿だけでなく『日々の習慣・考え』の保ち方も影響するのです。私にとっては、V6のメンバー6人とファンのみんなが幸せであることが幸せ、という考えにいきつきました。彼らを応援することをきっかけに、『自分は誰かが幸せであることが幸せ』だと感じられるようになったのです。

これは仕事においても実感できることですね。日々の習慣や考えを変えると、幸せだと感じられるんです。一瞬の幸せよりも長く実感出来たり、思い出せる幸せに価値があるのかなと最近は感じています」

斎藤さんは、V6に出会えたことについて、「私の中で自分の考え方の変化を定量的に把握できるモノサシとなっている」と語ります。その喜びは「感謝の言葉では言い表せない」と笑顔を見せます。

 

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