ワンルームの「激せまキッチン」でも「楽ウマ」な料理ができるレシピ本

『激せまキッチンで楽ウマごはん』(草野かおる)より

都会のワンルームマンションでよく見かける小さなキッチン。コンロひと口に、まな板1枚ほどの調理スペース、食器や調理器具を置く余裕などほとんどない。そんな「激せまキッチン」でできる料理レシピをまとめた本があります。草野かおるさんの『激せまキッチンで楽ウマごはん』(ぴあ)です。「しらす丼定食」「ごちそうワンプレート」など、小さなキッチンかつ最低限の調理器具で作れる料理レシピが80種、掲載されています。

草野さんによると、この本が生まれたのは、ひとり暮らしをする草野さんの娘の食生活が「あまりにひどかった」ことがきっかけだといいます。

「(娘は)ひとり暮らしの乱れた食生活のせいか、ニキビができたり、肌荒れをしたりしていたようです。本人なりに食事の大切さを感じているらしく、実家に帰るなり、玄米や野菜のマリネ、ぬか漬けなと、やけに食べるようになりました。また、緑黄色野菜と淡色野菜の違いが分からないなど、基本的な料理の知識がない、手際が悪いなど、ちゃんと娘に教えなかったと反省もありました」(草野さん)

娘さんが住む部屋のキッチンも「激せま」でしたが、草野さんが狭いキッチンでも作れる料理をやって見せると、彼女は少しずつ自炊を始めるようになったそうです。

『激せまキッチンで楽ウマごはん』(草野かおる)

激せまキッチンでの料理の楽しさは「食材を使い切り、コスパも味もうまくいったときの達成感」にあると草野さんは言います。

「『狭いキッチンだからムリ』とあきらめるのではなく、『こんなに狭くてもこんなに作れるんだ!』という方法を知って実感してもらいたいです。そして、自炊をした日、自分の健康を考えた料理を作って食べるときには『私って偉い!』って自分を褒めてあげてください」(草野さん)

「あるといい」調理器具、電子レンジともうひとつは……?

そんな草野さん自身も、初めてひとり暮らしをしたときは風呂ナシ、共同トイレの4畳半。キッチンも料理には向かないものだったと言います。「当時は食材を買いすぎて、余ったものをうまく使えないまま、腐らせていました」と当時を振り返ります。

『激せまキッチンで楽ウマごはん』では、こうした草野さんの経験が生かされています。

「『激せまキッチン』で1人前の料理をするのに、醤油大さじ1、みりん大さじ1……といった分量記載はハードルが高いと考えました。まず『大さじ1』を測る器具を買おうと思わないですよね。ですから、味付けはめんつゆやポン酢など、市販品をお好みの量、と丸投げしました」(草野さん)

「丸投げ」の裏側には、「自炊を続けるなかで、自分好みの味付けを見つけてほしい、料理を楽しんでほしいという思いもあります」と草野さんは言います。掲載するメニューを決める際には「簡単に簡単に」と意識するあまり「笑っちゃうほど簡単料理になった」そうです。

『激せまキッチンで楽ウマごはん』(草野かおる)より

ちなみに、草野さんが「激せまキッチン」にあるといいというのが、電子レンジ。極力洗い物を出さずに料理ができるといった点が優れているといいます。そしてもうひとつ。意外にも思えるのが、キッチンバサミです。「キッチンバサミひとつあれば、野菜もお肉だって切ることができるんです。わざわざ包丁やまな板などの洗い物を出さないで済みます」(草野さん)

草野さんはこの本を、新社会人や大学生、ひとり暮らしでうまく自炊できない人に向けて書いたといいます。

「『料理は向き不向きじゃない、どんなに面倒くさがりでも、キッチンが狭くて料理なんかできないと思っても、簡単に、しかも安く料理はできる』ということを伝えたかったからです」(草野さん)

発売後の読者の反応をみると、単身赴任をする男性、働きながら子育てをする母親からも「使える!」といった声が届いているそうです。

『激せまキッチンで楽ウマごはん』(草野かおる)より

 

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