多幸と福の島、愛知県・日間賀島でたことふぐを堪能!

日間賀島の食堂「乙姫」の「ふぐさし」

冬の味覚の王様、ふぐ。名古屋市内にも専門店があるものの、天然ふぐのコースともなれば、料理だけで1人1万5000円〜2万円以上は覚悟せねばならない。気の合う仲間と行くならまだしも、ひとり飯で払うには高額すぎる。そもそも、1人前のコースがあるかどうかもわからない。

師崎港フェリーターミナル

でも、どうしても、ふぐが食べたい。そんな思いに駆られて車を南へ走らせた。名古屋市内から名古屋高速に乗って知多半島道路と南知多道路を乗り継いで終点の豊丘ICで下車。知多半島の先端にある師崎港フェリーターミナルへ向かった。ここまでの所要時間は約1時間強。

船着き場で旅情に浸る

旅の目的地は、師崎港から2.4キロの沖合に浮かぶ面積0.77キロ平方メートルの日間賀(ひまか)島。フェリーターミナルで乗船券(大人往復1360円)を購入して高速船が到着するのを待っていると、否が応にも旅の気分が盛り上がる。

いざ、出港!

師崎港から日間賀島までの所要時間は約20分。あっという間に到着してしまうので、寒い日ではあったがデッキに上がってみた。女子大生っぽいグループが楽しそうに写真を撮り合っていた。海風は刺すように冷たく、孤独感に拍車がかかる。いっ、いかん! これから旨いものを食べに行くのに、これじゃまるで傷心旅行ではないか。気持ちを切り替えるべく、ひとりで笑顔の練習をしてみる。これはこれで、側から見たらキモいおっさんだな、こりゃ(笑)。

冬の日間賀島はふぐ!

日間賀島・西港へ到着。船着き場には「福来たる!」という看板がズラリ。よく見ると、福に「ふぐ」とルビが打ってある。実は、冬の日間賀島はふぐが有名なのだ。ちなみに夏場はたこ。つまり、「多幸」と「福」。年も明けたばかりだし、こいつは縁起が良さそうだ。

日間賀島・西港前にある「乙姫」

向かったのは、西港の目の前にある食堂「乙姫」。ここは、ドラマ『孤独のグルメ Season4』にも登場している。それを見て辛抱たまらくなった私は、O.A.の翌日にここを訪れたことがあり、店の前に行列ができるほどの超満員! しかも、皆、考えることは同じで、ドラマに出てきた「たこめし」や「しらす天ぷら」を頬張っていた。

さしみ定食や煮魚定食などが揃う

これが島で獲れた魚介をメインにした定食や丼もののメニュー。それらはたしかに魅力的である。しかし、今回の目的はあくまでもふぐ。ここはご飯ものを我慢して、できるだけ多くの種類を食べたい。

ふぐなべが食べたかった……

ふぐのシーズンだけに、通常メニューとは別にふぐ料理のメニューもあった。「ふぐなべ」は1人前3000円で注文は2人前からなので断念。ここから、「ふぐさし」(小・2000円)と「唐あげ」(1000円)、そして通常メニューから単品で「たこしゃぶ」(800円)を注文することに。

ノンアルでも気分だけは盛り上がりたい

ドリンクは、「ノンアルコールビール」(450円)。師崎港まで車で来てしまったことを激しく後悔。名鉄名古屋駅から河和駅直通の特急電車に乗って、河和港からも日間賀島行きのフェリーが出ているのだ。次回は電車を使って来ようと決心しつつ、ノンアルコールビールをあおる。うん、これはこれで旨い。

美しく盛り付けられたふぐさし

まず、運ばれたのが、「ふぐさし」。グループで注文すると、周りに遠慮しながら一切れずつ摘んでしまうが、誰にも気兼ねせずに箸をざざーっと入れられるのが、ひとりメシの良いところ。

ふぐを思いっきり堪能

ほら、こんな風に(笑)。でも、1人前だし、サイズも小だし、イッキに食べるとすぐ無くなってしまう……。2回目以降は、一切れずつじっくりと味わう貧乏性で小心者の私(笑)。もっと稼ぎに稼いでふぐさしをバカ食いしてやると心に誓った。

ポン酢も美味しい。ふぐの旨みをさらに引き立てる

「ふぐは味ではなく、食感を楽しむもの」と聞いたことがある。「ふぐそのものには味がない」とも。私も若い頃はそう思っていた。しかし、今、こうして食べてみると、噛むほどに上品で繊細な味わいが口の中にふわっと広がる。これ! 私はこの味を求めていたのだ!

たこしゃぶ

ふぐさしを堪能していると、「たこしゃぶ」が運ばれた。私は日間賀島へ来ると、必ずこれを注文する。鍋の具材は、たこの薄造りとワカメのみ。シンプルだが、実に旨いのだ。少量のワカメを鍋に入れて、たこの薄造りをだし汁にくぐらせる。しゃぶ、しゃぶ……と。

半生くらいが美味しい

少しだけ身が縮んだくらいが食べ頃。熱々をポン酢につけてパクリ。うん、たこもふぐと同様に、噛むごとにたこそのものの味がじんわりと広がる。ワカメから出たほのかな磯の香りも手伝って、めちゃくちゃ旨い! この味、そこそこ年を重ねなければわからないだろうなぁ。そう考えると、年をとるのも悪くはない。

唐あげはコラーゲンたっぷり

最後に出てきたのは「唐あげ」。こちらはゼラチン質が多いのか、プルップルの食感。揚げ具合が絶妙な上に衣につけられたほんのりとした塩味が旨味を引き立てる。思わず、ノンアルコールビールをおかわりしてしまった。ふぅ。ふぐさしと唐あげだけとはいえ、ふぐを堪能することができた。

この島はなぜ、たことふぐを推すのか

「乙姫」の店内にあったふぐの模型

もともと、日間賀島近海の三河湾や伊勢湾、遠州灘は、天然のとらふぐがよく獲れたという。そこで20年ほど前からふぐで島おこしをしようという動きがあり、現在は島内のホテルや旅館、民宿などには必ずふぐの調理免許を持った料理人がいるという。

巨大なたこのモニュメントは記念撮影スポット

店を出てから、腹ごなしに島を散策することに。目に飛び込んできたのは、巨大なたこのモニュメント。皆、ここで記念写真を撮るのだろうが、ひとり旅なのでそれはナシ。えっ、自撮り? おっさんの自撮りがそんなに見たいのか(笑)。

海岸線からの眺望

日間賀島には、先ほど降りた西港ともうひとつ、東港があり、距離にして約1.5キロ。海岸線をひたすら歩く。目の前に広がる海があまりにもキレイで、何度も立ち止まっては写真を撮った。なんか、癒されるねぇ。

蛸阿弥陀如来が本尊の安楽寺

約30分で西港へ到着。そこから向かったのが、安楽寺というお寺。日間賀島がたこの島であるという由縁は、漁師の網に掛かって引き上げられた阿弥陀如来像を大ダコがからみついて守っていたという言い伝えから。ここ、安楽寺は、その由来となった蛸阿弥陀如来がご本尊なのだ。

夕暮れ時の海もすばらしい

再び海岸線をゆっくりと歩いて西港へ戻ると、日が暮れてきた。風も冷たくなってきたし、そろそろ帰ろうか。

夏にまた行きたい!

夏場はたこの他、穴子も多く獲れるというから、次回は夏に訪れて穴子寿司や穴子丼、穴子の干物などを堪能しようと思う。乞うご期待!

 

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