【古民家で暮らそう!:22】ギャラリー&雑貨屋をオープン!(下)

オープン前のギャラリーの内観

私が子供の頃は、お店を開店したりイベントをやったりする場合には、自分でチラシを撒くなどして宣伝をするしか方法がありませんでした。今はネットがありますので、無料である程度の告知ができるようになりました。特に、SNSは無料で情報が勝手に拡散するので、こうした開店準備の様子などを定期的に発信していると、オープン前からある程度の人たちが開店を楽しみにしていてくれるという状態になるので、とても便利です。

改修を工務店に依頼して、お金さえかければいくらでもきれいにはなるのですが、我が家が目指すのはそういった場ではなく「自分で頑張ってやってみたら、ボロボロだった古民家もこんなふうに使えるよ」というモデルとして見てもらえたらと願っていました。手間はかけるけど、お金は節約して改修するというスタイルを目指していました。

しかも本業がデザイナーですので、自分のお店のパンフレットや、イベント開催のチラシなども外注することなく作ることができます。そういう意味でも、我が家がオープンなイベント会場やお店として使う場を作るのは、必然だったのかもしれません。

展示物を次々と制作

切り絵作品「彼岸花」

ギャラリー&雑貨屋さんですので、ある程度鑑賞していただけるものも必要になってきます。空間のメインになる作品として「彼岸花」をテーマにした幅90cmほどある大型の切り絵を制作しました。使っている紙は、兵庫県多可町の特産品でもある杉原紙。杉原紙は、奈良時代には日本一の生産量を誇った1300年の歴史がある和紙ですので、せっかく作るのであれば、こういった地元の良いものを取り入れたいと思っています。

倉田優子さんの陶猫作品

その他、マニキュアや、杉原紙を使って模様をつけたオリジナルのペーパーブローチ、陶器で大型の猫の作品を作っている陶猫作家・倉田優子さんの作品も取り扱わせていただけることになりました。お店の一番目立つ場所で、ひときわ存在感を放っています。

パレットの活用法

材木用のパレット

連載21(ギャラリー&雑貨屋をオープン!中)」で紹介させていただいた豆皿型のテーブルの他にも、廃材のパレットは使い道がたくさんあって、よく見てみると我が家のあちこちにパレット材を使って作ったものがあります。

パレットは、外で保管されて重たいものを乗せるために作られたものなので、かなり硬い木で作られていることが多いようです。良い感じに古い感じを表現できる材木ですが、とにかく釘を抜く作業がとても大変です。それが終わったら、表面をデッキブラシで洗って乾かし、表面がささくれだっているものはサンダーで少し磨きます。あまりやり過ぎるときれいになり過ぎるので、適度なところでやめて、あとはステインで着色します。

パレットに、セリアで買ったアイアンのパーツを付けて、ポストカード立てを作りました。100均のパーツで作ったとは思えない雰囲気になってくれて、気に入っています。

ポストカード立て

それとレジカウンター。ネットで探してもなかなか気に入ったものがなく、自分で作りました。引き出しを作るのが面倒でしたが、キャスターも付けて動かせるようにして自分仕様にできるのが、DIYの良いところです。パレット材を使って作ると、重厚な雰囲気になりますので、古民家の空間にぴったりの素材だと思います。

レジカウンター

細かいしつらえをあれこれと

いよいよオープンの日が近くなってきましたので、商品の展示はもちろんのこと、古民家の暗い雰囲気を払拭(ふっしょく)するためにいろいろ工夫をしてみました。構造上、あまり日の当たらないところですので(日が当たりすぎると商品が色あせするので良いと言えば良いのですが)、観葉植物を置いてもすぐに弱ってしまいます。なので、窓から見える中庭に簡易の水場を作って、水草を植えることにしました。

中庭のビオトープ

さらに、商品でもある苔(コケ)玉の植物を室内に置いてグリーンを確保しました。

手作りの苔玉

陶器を置く台として、裏庭の材木置き場に重ねてあった杉の板を引っ張り出してきて使用することにしました。皮の裏側を虫が食った跡が良い感じのアクセントになっています。

陶器作品置き場

いよいよオープン

もともと自分の家を触るのが好きだったので、お店の空間を作っていくのも楽しい作業でした。実際にやってみると、商品を置く場所を作るだけでなく、照明、音響、お金の受け渡しや商品の梱包(こんぽう)、告知などなど、いろんなことに気を使って同時進行で準備を進めなければならず、とても大変でした。でも、一度こういう経験をすると、次に誰かがお店を始めるときにもアドバイスができますし、きっと今後の生活の中でも役に立つのではないかと思っています。

アイランドキッチンを囲んで

本格オープン(と言っても、あまり積極的に告知をしないスタイルのお店ですが)の前に、仲の良い友人やご近所の皆さんを集めて、パーティーをすることにしました。こういう名目で久しぶりに集まってワイワイしたい! という目的も兼ねています。皆、手料理を持って集まってくれましたが「連載8(アイランドキッチンを自前で作ってみた・下)」で紹介させていただいた手作りのアイランドキッチンを囲んで会話が弾んでいる様子を見て、この家を選んで良かったな…と改めて感じました。

その翌月、地元の広報誌で、我が家のことを紹介してくださる取材記事が掲載されました。

「広報たか」の取材記事

小さなまちのコミュニティーでは、こうした個々の取り組みをまち全体のこととしてシェアしてくださいますので、スーパーや郵便局などに行くと「読んだよ〜」と声をかけてくださいます。田舎ならではつながりなので、地域の方に愛される場所になってくれると良いなと願っています。

 

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