【古民家で暮らそう!:最終回】ギャラリー&雑貨屋から民泊施設にリニューアル!

地元の高校生たちと作った「はらぺこあおむし」の絵本読み聞かせ会用の青虫付きカップケーキ

23回にわたって連載を続けてきた「古民家で暮らそう!」の連載ですが、今回で最終回となります。これまで読んでくださった皆さま、ありがとうございました。

前回までの連載で、自宅の一角を使ってギャラリー&雑貨屋をオープンさせたことはお伝えしましたが、その後、この空間をもう少し多機能なかたちで活用するために、コワーキングスペース&シェアキッチン、そして民泊として宿泊もしていただける場所にリニューアルすることにしましたので、それに伴って名称を「古民家空間 kotonoha」に変更することになりました。

田舎でのコワーキングスペースとは?

コンサート会場として活用

現在、我が家では町からの委託で移住者の案内役をさせていただいていますが、我が家のような古民家を使ったお店にふらっと立ち寄ってくださるお客さんは、潜在的な移住希望者であることが多いです。

お店の中を見て回るだけでお帰りになる方もいれば、古民家での暮らしや田舎暮らしのことで話が盛り上がり、そのまま母屋に上がっていただいて一緒にお茶を飲みながら話をすることもよくあることです。

もともと我が家は、こんな感じで知らない人と出会うことが多い家でしたが、できればそこからもう少し具体的な取り組みにつながるように工夫ができれば…と思っていました。お店をオープンしている日に関してはコワーキングスペース、予約をしていただける場合にはレンタルスペースとして使っていただけるようにしました。

離れとギャラリースペースをつなぐ改修作業

しかし、いわゆる都心部でイメージするようなコワーキングスペースを作ろうとしても、車でかなりの距離を走らなければいけない場所には人が来るはずもありません。なので、本来の意味でもある「場所にしばられない働き方」ということをサポートする場にしました。

飲食店営業許可の取得

厨房の壁紙貼り

人が集まる場所に重要なのが、食べることと音楽だと思っています。音楽はもともとこの場所を使って定期的にコンサートなどを開催していますので大丈夫なのですが、飲食を提供できる場所となると、食品衛生責任者の資格と、飲食店営業許可が必要になります。

責任者の資格は、講習を受けに行けば1日で取得することが可能ですが、営業許可に関しては、自宅のキッチンとは別に厨房(ちゅうぼう)が必要ですし、シンクとは別の手洗い専用の水栓や、衛生面などのチェック項目をクリアしなければ許可は下りません。

我が家で厨房にできる場所といえば「連載12(自作ロフトは男の隠れ家)」で紹介させていただいた離れしかありません。ここは、文字通り完全に母屋側の建物から離れている場所にありますので、一度外に出ないとアクセスできない作りになっています。

そのままですと、室内に料理を運ぶこともできませんし、トイレも使えないので、ここは工務店にお願いして壁をぶち抜き、ギャラリースペースにつなげてもらうことにしました。大きなところは工務店にお願いしましたが、天井からホコリが落ちてこないように板を貼ることや、壁紙貼り、壁の棚作りなどは自分でやることにしました。

厨房もしくは打ち合わせスペースなどとして使用可能な空間

飲食店営業許可の取得というと、専門家に頼まなければできないイメージがありますが、決してそんなことはありません。今はネットで調べれば何でも情報がそろいますし、保健所の担当職員も丁寧に指導をしてくれますので、必要なことを少しずつ進めていけば個人で取得することは十分に可能です。

民泊の営業許可の申請

外国からのお客さんと一緒にみそ作り体験

最初にご紹介したとおり、我が家には多くの移住相談者がお越しになりますので、遠方からお越しになる方たちに泊まってもらう場所が必要です。町内にも宿泊施設が無いことはないのですが、車がない場合は、結局、我が家が送り迎えをしなければいけないので「田舎でも人が泊まりに来る!」ということを証明するための意味合いも込めて、民泊の営業許可を取得することにしました。

これも全部自分で調べて申請をしましたので、基本的には費用はタダです。その代わり、本籍地が遠方にある場合は書類を取り寄せたり、火災報知機を設置したりする費用は必要になります。

そして、兵庫県は日本で最も厳しいといわれている民泊に関する条例がありますので、民泊の許可を取得するには、それらの条件に合致している必要があります。県立公園内での民泊の営業は不可ですが、なんと、我が家に隣接する道路を隔てて、笠形山千ヶ峰県立自然公園からギリギリ外に位置していましたので、取得可能でした。

さらに、一番大きなハードルになるのが、兵庫県の条例で定められている「近隣住民への説明会の開催」です。普通に考えると、近所に民泊ができることを歓迎する人はほぼいないと思いますが、本格的な営業ではなく、基本的には移住希望者や知り合い(知り合いの紹介)が連れてくる外国人など、この地域を好きになってくれる目的がある人たちのみにしか告知をしていませんので、フレンドリーな住民の皆さまの理解のおかげで、とてもスムーズに進めることができました。我が家が、ここに越してきてすでに6年が経過して馴染(なじ)んでいたことも良かったのだと思います。

講演会会場として活用

トータルで場所を活用する

週末カフェ営業体験などをすることも可能

これらの許可があることによって、例えば遠方からミュージシャンが来るコンサートを開催する場合、コンサートの参加費&ランチセットという提供の仕方ができるようになります。講演会などだけではなかなか集客が難しい場合でも、ランチセットやケーキセットなどと共に告知をすると、ちょっと得した感じがしますので集客もしやすくなります。

そして、そのミュージシャンにも泊まっていただくことも可能ですので、夜には一緒に食事をしてお酒を飲むことも可能です。一緒に食事をしたり泊まったりする場所があると必然的に人が仲良くなりますので、「古民家空間 kotonoha」の存在価値は、そういったトータルでの場所の活用ということなのではないかと思っています。これからも地域の皆さまに愛され、皆さまの夢が叶(かな)う場所として活用していただければと願っています。

 

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